【超名門貴族②】ヨーロッパを代表する財界一族ロスチャイルド家の歴史

教養/豆知識

前回ご紹介させて頂いたハプスブルグ家に続いてロスチャイルド家についてご紹介したいと思います!
こちらも世界3大財閥の1つと呼ばれ、ヨーロッパを代表する財界一族になります。
ハプスブルグ家ほど老舗ではありませんが、19世紀から繁栄した貴族であり、まさしく19世紀の覇者となります。そんなロスチャイルド家について簡単にご紹介したいと思います!

 

●世界3大財閥とは
日本3大財閥と言えば、きっとみなさんご存知、三菱、三井、住友になりますが世界3大財閥と言えば以下の3つになります。
ロックフェラー(アメリカ)  石油 不動産
モルガン(アメリカ)  金融 鉄道
ロスチャイルド(ヨーロッパ)  金融 鉄道
スタンダード・オイル社はロックフェラー家が設立したものです。
JPモルガンはジョン・ピアポント・モルガンが由来となります。
ロスチャイルド家については以下に解説していきます。

 

●ロスチャイルド家のはじまり
ロスチャイルド家のはじまりは神聖ローマ帝国のちのドイツになります。出身地はフランクフルト・ゲットー。
フランクフルト・ゲットーとは、1462年から1796年にかけて神聖ローマ帝国の帝国自由都市フランクフルト・アム・マインに置かれていたゲットー(ユダヤ人隔離居住区)になります。そうロスチャイルド家はユダヤ人になります。
初代はマイアー・アムシェル・ロートシルト(1744-1812)でした。ロートシルトは英語ではロスチャイルドと呼びます。
マイアーは先述の通り、ユダヤ人でゲットーに住んでいました。20歳の時にロスチャイルド商会を設立し、最初の商売は、古銭商からスタートし、アンティークコインの販売を開始しました。今で言うカタログ通販のようなをやり方で商売し、当時の上流階級の間では古銭マニアもおり投資の対象となりました。つまり最初にやり始めたのはいわゆる隙間産業だったのです。
古銭好きなヘッセン家の皇太子ヴィルヘルムに気に入られ、宮廷御用商人の地位を得ることになります。
そして、財産の運用を任されることになります。こうしてキャリアを積んでいきハプスブルグ家から爵位を譲り受けるほどの超名門となります。
こちらは、ロスチャイルド家の紋章になります。
この紋章は1822年にハプスブルク家より、男爵の称号とともに授けられました。
盾の中には5本の矢を持った手が描かれ、創始者の5人の息子が築いた5つの家系を象徴しております。
盾の下には、ロスチャイルド家の家訓である調和、誠実、勤勉という銘が刻まれています。
当時のユダヤ人には市民権さえなかった時代にでは異例中の異例になります。
マイアーは私生活では、5男5女を授かり、事業は男が引き継ぐものとして5人の息子に事業を引き継がせました。

 

●ロスチャイルド家の系譜と強み
ロスチャイルド家の系譜と強みについて紹介します!

<初代>
マイアー

<2代目>
長男 アムシェル(フランクフルト)
次男 ザロモン(ウィーン)
三男 ネイサン(ロンドン)
四男 カール(ナポリ)
五男 ジェームズ(パリ)
この5人をヨーロッパ各地に送り銀行業を始めさせました。通称5本の矢と呼ばれております。
特に三男ネイサンの才覚があったとされています。

マイアーは以下3つを息子たちに徹底させ教え込みました。
①情報網
毎日お互いに手紙を出しあわせた。鳩、馬、船を使って情報を出しあった。

②教育
家庭教師をつけて5カ国語を習わせた。ユダヤ人の言語を習い、イディッシュ語と呼ばれる北部ドイツのユダヤ人の言語を使うことで情報が盗まれないようにした。

③結婚
1代から3代までハプスブルグ家のように近親結婚することで、財産が外に流れるのを防ぐのと一族の連帯感を強くした。

 

●19世紀の躍進
5人の息子の時代にロスチャイルド家は19世紀に大きく躍進することになります。

【銀行業】
国にお金を貸し付けることで戦争で莫大な富を得ました。まず、ナポレオン戦争で儲けます。続いてワーテルローの戦いで三男ネイサンは底値になった国際を買い占めて莫大な富を得ることになります。これをきっかけにロスチャイルド家はイングランド銀行を支配するようになります。また、ネイサンからジェームズに紅茶などを密輸したりもしたそうです。
さらに普仏戦争で大儲けします。普はプロイセン王国のことでこの戦争でまさのナポレオン3世が捕虜になってしまいます。
どっちの国も息がかかっているのでどっちが買っても負けても儲かるという最強の構図で戦争をすることで富を得ていたため、「死の商人」と呼ばれました。
マイアーのすごい所は、通貨発行権をロスチャイルド家が握ることで、自分達に都合の悪い金融政策は行わず、
政府に対しての発言権を持てると考えたことです。また遺言で「5人兄弟皆仲良く暮らさなければならない。
もし守らなければ、ロスチャイルドの事業に参加する権利を失う。」と遺したことです。

【鉄道業】
ネイサンの意見を元にウィーンのザロモンがハプスブルグ鉄道を設立します。フェルディナント号と名付けました。パリの五男ジェームズも北フランス鉄道網を牛耳ります。

【ワイン】
5大シャトーのうち2つ(シャトーラフィット、シャトームートン)がロスチャイルド家所有。

文化、政治、経済全てに影響を及ぼす圧倒的なネームバリューを手に入れたのです。

 

●ロスチャイルド家の衰退
そんなロスチャイルド家も19世紀後半に力を失っていきます。得意の情報網もロイター通信などで誰でも得られるようになりました。

〈第一次世界大戦後〉
徐々に影響力を失い5家からパリ家とロンドン家の2家に減少しました。ドイツの首都がフランクフルトからベルリンに変わりますが鉄の掟でフランクフルトから拠点を変えなかったのと近親結婚により子供ができなかったことで、フランクフルト家を失います。また、ナポリ家も相続税により力を失いました。相続税は権力を持ちすぎて政府の力を脅かしかねないための予防税です。

〈第二次世界大戦〉
ナチスドイツによる陰謀論の被害に遭います。この頃、ロスチャイルド家は古豪であり、あくまで1800年代に活躍したユダヤ人の華麗なる一族という位置付けでした。
これが、都市伝説が広がるきっかけとなりユダヤ人は世界中を牛耳っているというプロパガンダ作戦に使われてしまいました。
ヒトラーは、フェルメールの絵画が好きでロスチャイルド家が保有する天文学者や地理学者といった絵画も没収されたが、現在は戻ってきております。
現在、7代目。3つの金融グループを持ち、ユダヤ人支援を行なっております。

 

●感想
昔のハプスブルグ家、ロスチャイルド家のような貴族が事件を握り富を得ていた時代は終わりました。
今はいわゆるアメリカのGAFA、中国のBATHが世界を支配しています(牛耳っています)。
ロスチャイルド家の歴史を振り返ると特別な選ばれた人間だけが富を得られる訳ではないと証明したのではないでしょうか。現在は昔に比べ誰しもが大金持ちになれるチャンスがあるのです。これからの時代誰が何が世界をリードしていくか。
きっと地位やお金や名誉を求めるだけでは通用しない、本当に良い世界を作り導いていくという気概の人や企業がリードし残っていくことでしょう。

 

~超名門貴族シリーズ~
【超名門貴族①】ヨーロッパの華麗なる王家一族ハプスブルグ家の歴史
【超名門貴族③】ヨーロッパの有名芸術家を支えた一族メディチ家の歴史
【超名門貴族④】アメリカの世界一の石油王ロックフェラー家の歴史
【超名門貴族⑤】アメリカ経済を動かすモルガン家の歴史

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