パン1個買うのに札束が必要!?ジンバブエで起きた恐怖のハイパーインフレとは

教養/豆知識

日本から遠く離れたアフリカにジンバブエという国があります。
この国では少し前まで1Lの牛乳が1200億ジンバブエドル、パン1斤が3000億ジンバブエドルというとんでもない金額でした。(2015年にジンバブエドルは正式に廃止)
喫茶店にコーヒーを飲みに行くのに札束を持って行く必要がありました。
スーパーで買い物をしていたらレジに行くまでに値段が倍になったりしました。

 

●ジンバブエの位置
まずはハイパーインフレの話に行く前にジンバブエの位置関係についてざっくり触れてきます。

 

ジンバブエ(正式名称:ジンバブエ共和国)はアフリカの南の方で南アフリカと接しております。
マダガスカル島も近くにあり、ビクトリアの滝もザンビアとの国境沿いにあるというまさに大自然が広がる国になります。
ジンバブエは大きなアフリカ大陸という中の南に位置しているという簡単なご紹介になります。

●黒人のリーダー就任、ジンバブエ共和国の誕生
今から50年くらい前、この場所はローデシア共和国といって白人が治めていました。

かつてセシル=ローズというイギリスの政治家が主導して侵略を進めたアフリカの地域だったのです。

土地は少数の白人のもので元から住んでいた現地の多くの黒人達は農民として働かされ、儲けたお金は全部白人に持ってかれてました。

ローデシア共和国では南アフリカ同様にアパルトヘイト政策をとっており、これは、国際的にも批判を浴び国際連合の経済制裁を受けました。

1970年代頃、黒人達は怒って白人と戦うようになり、当時のソ連や中国は裏で黒人達を助けました。

白人のリーダーは南アフリカのリーダーに説得されて争うことをやめて選挙をすることにします。

そして選挙では黒人が圧勝し、今から40年くらい前にジンバブエ共和国が誕生することとなりました。

大統領であるリーダーはロバート・ムガベという人物が就任することとなりました。

ムガベは大統領に就任した後も黒人を虐げていた白人達に優しく接しました。

これに白人達も協力して黒人の子供達の教育や医療を一生懸命やりました。

これにより幼児が死んだりすることも少なくなり、文字を読める人達が増えていきジンバブエ共和国は順調に発展していきました。

これは”ジンバブエの奇跡”として世界中から絶賛されました。

●ロバート・ムガベの暴君化
ムガベがジンバブエのリーダーになってから20年ほど経ったときムガベは近くのコンゴ民主共和国の当時のリーダーであるカビラ大統領を助けるために軍隊を行かせました。

これはカビラ大統領を助けるためというのが表の理由ですが、本当はコンゴにあるムガベ一族のダイヤモンド鉱山を守るためでした。

いわゆる本音と建前になります。そしてダイヤモンドの他にさらに金や銅などの資源も狙っていました。

ムガベはこのコンゴの方に一生懸命になったのでジンバブエの国内はだんだん経済が乱れていき荒れていきました。犯罪が増えてコレラやエイズなどの病気が流行りました。

こういった状況となりムガベに不満を持つ人が増えてきて不満が爆発しそうになったので、白人が持っている農場や会社を無理やり取り上げてジンバブエの現地の黒人達に与えました。

これにより当然白人達は怒りジンバブエから出て行ってしまいます。諸外国もムガベの横暴をよしとせずジンバブエと商売をするのをやめていきました。

またジンバブエの黒人達は白人達が持っていた農場や会社をいきなり貰ったところで当然上手く経営出来ないのでどんどんモノが減っていきました。

●ハイパーインフレ
モノが減り貧乏な人が大量に増えてきたのでジンバブエはお金をどんどん刷って国民達に配りました。

その結果、お金は溢れていきますがモノがないためにジンバブエはどんどんインフレになっていきました。

インフレとは物価が継続的に上昇する状態で、通貨の価値は下がります。(一般的には景気が良くなると、インフレが起こりやすくなります。)

パンが1個100円で売っていたらみんなお金はあるのですぐ売れてしまいます。なので店はパンを値上げして200円で売ります。これもすぐ売れてしまいます。1000円で売っても10000円で売ってもすぐ売れます。こうしてモノの値段はどんどん上がっていってしまうのです。

ジンバブエの場合はこれがものすごい速さの値段の上がり方をしたのでいわゆる”ハイパーインフレ”という急激なインフレとなり通貨の実質的な価値が急速に失われていくことになりました。

当時発表された2008年7月のインフレ率は年率2億3100万%でその後もインフレ率は高まり続けたといわれています。最盛期には、25時間おきに物価が倍になっていたそうです。

ムガベはこうした状況下で国民が飢えて苦しんでいるにも関わらずおよそ日本円で1億4000万円の豪華な誕生パーティをしたり、香港におよそ7億円の豪邸を買ったりしていました。

これによりジンバブエはますます混乱していき、不満を言う人は捕まえられて牢屋に入れられました。

●暴君ムガベ失脚
ムガベは90歳を超えていたので次のリーダーとして奥さんのグレース・ムガベかあるいは軍隊のトップのエマーソン・ムナンガグワが候補に挙がっており両者で揉めていました。

ムガベはムナンガグワを追い出してグレース夫人を次のリーダーにしようと決めます。

これに軍の人たちは怒りムガベとグレース夫人は自宅に閉じ込められました。

こうしてムガベは93歳で37年の間続けたリーダーを降ろされ、ムナンガグワがリーダーになりました。

しかし、ムガベの頃までではありませんがジンバブエのインフレはまだ2022年の現時点でも収まっていません。

ムガベは2019年に95歳で死去しました。

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