【地政学】戦後日本でタブー視されてきた!?圧倒的教養が身につく学問!

教養/豆知識

最近の電気代やガソリン代の高騰は人々の生活を大いに圧迫しています。

原因はコロナや戦争の勃発が主なものとなります。

「戦争はなぜ発生するのか??」

人類の永遠の問いだと思いますし、今後も考え続けなくてはならない課題だと思います。

そんな問いを私自身改めて考えている時に”地政学”というものに出会いました。

地政学は地理学と政治学を合わせた用語で、国の地理的な条件をもとに、政治的、社会的、軍事的な影響を研究する学問における研究分野のことを言います。

戦争は突き詰めると地理的な要因がものすごく大きいのではないか??

その地理的な要素を学ぶことで各国の立ち位置や思惑、また日本の立ち位置や進むべき方向性を理解することが出来るのではないかと考えたので今回はその地政学について簡単にご紹介させていただきたいと思います。

この記事は『世界史と時事ニュースが同時にわかる 新 地政学』『戦争の地政学 篠田英朗著』を参考にしております。

 

●地政学とは
地政学とは端的に言うと、各国が置かれている地理的な環境に着目し、歴史的な出来事や現在の国際情勢を分析しようとする学問になります。

地理は基本的には短い時間で急な変化はなく、容易に変わらないものになります。

一方、国際情勢は各国の為政者の思惑や国家間のパワーバランスなど様々な変数が複雑に絡み、刻一刻と変化します。

複雑だからこそ、なかなか容易には変わらない地理を土台にして各国の国際情勢を読み解くうえで有効になります。

地政学は現在においても各国が外交戦略を練る際に重要な役割を担っております。

 

おさえておくべき人物

①英米系地政学
・アルフレッド=マハン【1840-1914】
アメリカ海軍の軍人。アメリカが大国の仲間入りをするためには、シーパワーを強化して周辺の海を支配することがカギを握ると主張した。
・ハルフォード=マッキンダー【1861-1947】
イギリスの地理学者、政治家。ハートランド理論を提唱し、この概念は地政学の基礎的な理論付けとなった。事実上の現代地政学の開祖ともいえる。
・ニコラス=スパイクマン【1893-1943】
オランダ系アメリカ人の政治学者、地政学者。イエール大学の国際関係学の教授。マハンのシーパワー理論やマッキンダーのランドパワー理論を踏まえてエアパワーにも注目しリムランド理論を提唱した。

②大陸系地政学
・カール=ハウスフォーファー【1869-1946】
ドイツの陸軍軍人、地理学者、地政学者。ミュンヘン大学教授。最終階級は陸軍少将。旧バイエルン王国出身。ランドパワー(陸上権力)を重視するドイツ地政学の祖。日本との関係が深い人物である。
・カール=シュミット【1888-1985】
ドイツの政治学者、公法学者。全体主義的国家論を提唱し、ナチスに理論的基礎を与えた。政治的なものの本質が友と敵との対立にあるとする、友敵理論でも知られる。著「政治的なものの概念」「政治神学」など。

→②大陸系地政学は、ナチスドイツの生存圏、大日本帝国の大東亜共栄圏獲得に影響を与えることになったと言われており、日本における地政学が第二次世界大戦後に廃れていく要因に繋がったと考えられております。

●おさえるべきポイント
①ランドパワー(マッキンダー提唱)とシーパワー(マハン提唱)
地政学では、大陸国家であるランドパワーと海洋国家であるシーパワーに分けて分析を行います。

ランドパワー:大陸の内陸部に位置している。もしくは国土の一部が海洋に面していたとしても、海を十分に活用することが出来ず、交易や人の移動手段などを陸上交通に頼っている国家。
(ロシア、中国、ドイツなど)

シーパワー:国家の多くが海に面している海洋国家。
(アメリカ、イギリス、日本など)

→ランドパワーであるロシアは不凍港を求めて、18世紀以降に当時オスマン帝国が領有していた黒海沿岸への南下政策、1853年にクリミア戦争、1877年に露土戦争、1904年に日露戦争を起こしました。一方、シーパワーであるイギリスは産業革命を達成し、重商主義政策を改めて資本主義体制に合致した自由主義政策に転換したことで、1840年のアヘン戦争による中国支配、1857年のシパーヒーの反乱鎮圧からのインド支配など植民地帝国へと進化していきました。

②ハートランド(マッキンダー提唱)とリムランド(スパイクマン提唱)

ハートランド:ランドパワー勢力が基盤としており、シーパワー勢力が到達出来ないユーラシア大陸の内陸部のことを指す。

リムランド:ハートランドを弧のように取り囲むエリアのこと。シーパワーとランドパワーの間にある広大な緩衝地帯。

→冷戦期のシーパワー(アメリカ)とランドパワー(中国、ソ連)の争いを見ると、朝鮮戦争やベトナム戦争といったリムランドを手中に収めるための戦いであったと地政学的にいえます。そんなリムランドは現在でも政治的に不安な地域が多いです。

③チョークポイント10か所

国の安全や経済活動等を維持する上で重要な海上交通路のことをシーレーンという。そのシーレーンの中でも、海上交通の要衝となる重要なポイントのことを”チョークポイント”という。(チョークポイントの主な箇所は上の図の10か所。)
チョークとはプロレスでチョークスリーパーという技があるように首を絞めて気管を圧迫し、窒息させるように絞めるので、相手は苦しみながら「落ちる」ようになる、まさに海の関所のようなものである。

→日本は中東から石油を運ぶ際にホルムズ海峡とマラッカ海峡というチョークポイントを通る必要があり、ホルムズ海峡周辺はイランとサウジアラビアの対立が激化。マラッカ海峡周辺は近年中国の進出が著しい状況となっております。日本が中国の海洋進出を警戒するのも、イランとサウジアラビアのいずれとも良好な関係を保つようにしているのもこうした地政学的な要因があります。

●(推測)日本が当時欧米列強に侵略されなかった理由
おそらくチョークポイントとして重要な立ち位置じゃなかった?のでそもそも欧米列強が本腰で侵略しようとまでは来なかったのではないかと思います。
図を見ても分かる通り、チョークポイント周辺である中東、インド、東南アジアは漏れなく欧州列強に侵略されております。
また大国ロシアの東アジアへの南下を防ぐために日英同盟を組むなどして日本を後ろ盾しているなど上手く日本を利用しております。
つまり、日本はシーパワーであり、極東であり、チョークポイントからも外れている地政学的に非常にラッキーな国であると考えられます。
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