今スポーツ界を魅了する人物として一番に皆さんがイメージする人物は大谷翔平選手をおいて他にいないのではないでしょうか。
2刀流という言葉も大谷選手の活躍によって目や耳にすることが多くなりました。
この2刀流について。
今回、私自身が思うことを独断と偏見で述べさせていただくとともに、大谷選手の活躍ぶり、実力を
データなんかを少し出して語らせて頂ければと思います。
ツッコミどころも満載だと思いますが、それも含めてツッコミながら見進めて頂けると嬉しい限りです。
●2刀流のパターン
まずは2刀流について私が考える2刀流のパターンとしては以下があると考えます。
①スポーツA(スポーツ1)＋スポーツA(ポジション2) ←大谷選手パターン
②スポーツA＋スポーツB ←ボー・ジャクソン選手パターン
③スポーツ＋スポーツ以外の職業 ←ラグビー福岡堅樹選手パターン
①大谷翔平選手：指名打者(DH、バッター専門)＋ピッチャー
皆さん大谷選手でご存じの2刀流パターン。よくスポーツニュースで耳にする2刀流になります。
大谷選手は同じシーズンに少なくとも20本塁打を打ち、少なくとも50イニングを投げたベーブ・ルース以来初の選手となり、 2018年のアメリカンリーグ新人王に選ばれました。
この2刀流は実は大谷選手以外にもメジャーリーグ(MLB)に在籍もしくはかつて存在しました。
ブレンダン=マッケイ選手：指名打者(DH、バッター専門)＋ピッチャー
タンパベイ・レイズの2019年シーズン中に投手およびDHとしてMLBデビューを果たしました。
現在はけがによりマイナーリーグに降格しております。
マイケル=ロレンゼン選手：外野手＋ピッチャー
シンシナティ・レッズでの7シーズンで133打数、31安打、7本塁打を記録し、外野手として36試合に出場しました。
ベーブ=ルース選手：外野手＋ピッチャー
言わずと知れた元祖2刀流の選手ですよね。よく大谷選手と比較されます。
イチロー選手：外野手＋ピッチャー(1度だけ)
通常バッター＋外野手になりますがこの場合は2刀流とは呼びません。バッター(首位打者、安打数)、外野手(ゴールデングラブ賞)ともに素晴らしい成績を残しております。
ちなみに、メジャーではピッチャーとして登板したこともありました。自ら志願し、４点ビハインドの８回裏から登板し、打者５人に対し、１８球、２安打１失点無四球。
中田翔選手：4番＋ピッチャー
プロではありませんが、、中田翔選手の場合は、大阪桐蔭高校時代に4番＋ピッチャーで甲子園でも大活躍しました。
②ボー・ジャクソン選手：野球(スポーツ)＋アメフト(スポーツ)
この選手はまさかの野球とアメフトの両方のプロ選手でした。
MLB選手とNFL選手を長期間兼業したマルチアスリートであり、両スポーツで一流の成績を残した選手になります。2021年時点で「北米4大プロスポーツリーグのうち2つのオールスターゲームに出場した唯一の選手」として現在も広く知られております。
ディオン・サンダース選手：野球＋アメフト
NFL選手とMLB選手を長期間兼業したマルチアスリートであり、「ワールドシリーズとスーパーボウルの両方に出場した唯一の選手」になります。
マイケル=ジョーダン選手：バスケット＋野球
同時期ではありませんが、1度バスケを引退して野球に挑戦し、またバスケに復帰して3連覇を達成しております。
1994年にマイナーリーグのAA級でプレーしましたが、127試合 打率.202 3本塁打 30盗塁という成績でMLBでのプレーは叶いませんでした。
村岡桃佳選手：アルペンスキー＋陸上
日本選手団の主将としてパラアルペンスキーに出場した北京2022パラリンピックでは、金メダル3個、銀メダル1個を獲得しました。2019年春からパラ陸上競技短距離にも本格的に取り組み、東京2020パラリンピックに出場、6位入賞を果たしました。
③福岡堅樹選手：ラグビー(スポーツ)＋医者(スポーツ以外の職業)
福岡選手の場合は現役の医者ではありませんが、ラグビーをやっている中で医学部に合格をしました。
福岡さんは2021年に28歳で引退し、現在、現在順天堂大学医学部の3年生。 医者を目指し「実習も含めてやっています」と現在の様子も語っております。
●2 way playerとは！？
日本では大谷選手は2刀流と呼ばれていますが、アメリカでは”2 way player”と呼ばれています。
wikipediaによると、「オフェンスとディフェンスでプレーする必要があるスポーツでは、2 way playerとは、両方に秀でたプレーヤーを指す。いわゆる日本語で訳すなら2刀流選手。」とのこと。
個人的に勘違いといいますか、認識違いをしていましたのが、2wayとはポジションが2つという意味ではなく、どうやら攻撃(オフェンス)と防御(ディフェンス)を指しているようです。
繰り返しますが、2 way playerとは攻撃と防御の両方に秀でた選手という意味であり、wikipediaによると各スポーツにおいて2 way playerは存在します。
例えば、バスケットボール、NBAのマイケル=ジョーダン選手は1987年に得点王(攻撃)と年間最優秀守備選手賞(防御)を同シーズンで受賞しております。これについてもいわゆる2 way player、日本語で言うなら2刀流選手という位置づけのようです。
またアイスホッケー、NHLでも2刀流という用語はゲームの守備面と攻撃面を処理するフォワードに使用され、最高の2刀流フォワードは「フランク・J・セルケ・トロフィー」を贈られるそうです。
今までにイェレ=カレルボ=レーティネン選手、パベル=ダチュク選手、パトリス・バージェロン選手などが受賞しているそうです。
●大谷選手の2刀流について改めて考察
ここからは私の個人的な意見になるのですが、「大谷選手の2刀流がすごい」と世間で言われているのには少しちょっと引っかかる感じがします。
確かに2刀流はすごいのですが、「2刀流は大谷選手が初めてで他に類を見ない凄いことである」ということではありません。それは今までに述べたとおりです。
正確に言うのであれば、2刀流がすごいのではなく、「プロとして2刀流でともにすごい成績を残していること」「プロとしていまだに2刀流であり続けているのがすごい」という言い方が正しいと思います。（まあともに良い成績を残していなければ2刀流は出来ないと思いますが。。）
あえて言うのであれば、
「2刀流」”かつ”「ともに素晴らしい結果を出している」
のがすごい。となります。
この”かつ”の部分が無くなった場合、
「例えば2刀流だけど成績が中途半端なものになってしまう場合」、途中で2刀流はあきらめて「バッターに専念、あるいはピッチャーに専念する場合」は大谷選手のすごさは半減してしまうのでしょうか。あるいはそれでもやっぱり他の選手と比べてとび抜けてすごい選手なのでしょうか。
こちらを次にシミュレーションして見てみたいと思います。
●（シミュレーション）”かつ”の部分が無くなった場合
仮にバッターだけになった場合の成績：
メジャーでの成績(18-23年)を見てみましょう。あまり細かく見てもあれですのでバッターの指標である打率、本塁打、安打数、打点に絞ります。
2018年 打率.285 本塁打22本 安打数93本 打点61点
2019年 打率.286 本塁打18本 安打数110本 打点62点
2020年 打率.190 本塁打7本 安打数29本 打点24点
2021年 打率.257 本塁打46本 安打数138本 打点100点
2022年 打率.273 本塁打34本 安打数160本 打点95点
2023年 打率.304 本塁打44本 安打数151本 打点95点
バリー=ボンズ選手の成績（歴史的ホームランバッター）
1999年 打率.262 本塁打34本 安打数93本 打点83点
2000年 打率.306 本塁打49本 安打数147本 打点106点
2001年 打率.328 本塁打73本 安打数156本 打点137点
2002年 打率.370 本塁打46本 安打数149本 打点110点
2003年 打率.341 本塁打45本 安打数133本 打点90点
2004年 打率.362 本塁打45本 安打数135本 打点101点
イチロー選手の成績（マリナーズに渡ってからの6年）
2001年 打率.350 本塁打8本 安打数242本 打点69点
2002年 打率. 本塁打本 安打数本 打点点
2003年 打率. 本塁打本 安打数本 打点点
2004年 打率. 本塁打本 安打数本 打点点点
2005年 打率. 本塁打本 安打数本 打点点
2006年 打率. 本塁打本 安打数本 打点点
仮にピッチャーだけになった場合の成績：
仮に2刀流だけどともに成績が半減した場合の成績：
