経済学まずはこれだけおさえとけば大丈夫!”三大経済学”について!

教養/豆知識

経済学が苦手って人はきっといらっしゃるのではないでしょうか。経済という言葉を聞くだけで自分とは関係のない世界の話だとか耐性がないという方もおられると思います。かく言う私もそれに近いものがありました。そんな方にまずはこれだけ知っておけば大丈夫という三大経済学(古典派経済学、マルクス経済学、ケインズ経済学)についてご紹介したいと思います!
安倍晋三元首相のアベノミクスの一つである金融緩和政策はケインズ経済学であり、この3つの三大経済学を抑えておくだけでだいぶ世の中の経済が理解できると思います!

 

目次
古典派経済学 アダム・スミス(1723-1790)
マルクス経済学 カール・マルクス(1818-1883)
ケインズ経済学 ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946)

①古典派経済学

アダム・スミス(1723-1790)
①の古典派経済学は、その名の通り最も古い経済学で、最初の経済学ともいえる。経済学はアダム・スミスが1770年に発表した著書『国富論』の中で「見えざる手」という考え方を示した所からスタートしたとされている。「見えざる手”レッセフェール”」は経済は放っておいた方が発展し、自動的に価格が調整されるという考え方であり、いわゆる自由放任主義である。もっと詳しく言うと、政府は経済活動に介入すべきではない。自由に競争することによって生産性が高まり、社会全体の進歩の原動力になるという考え方である。この考え方の前は重商主義と呼ばれる国家による経済対策を促す主張が主流であり、アダム・スミスの主張と対立していた。人々が欲しがる物は政治家や官僚などには到底分からない。ましてや、経済活動に参加している人は、必ずしも善意で商売をしているとは限らない。お金儲けのために商品を作ったとしても、作った物が売れたとしたら、それは人々が欲しがる物を作ったからである。そうして各人が勝手な動機で交換を行うと、まるで見えざる手に導かれるように経済活動が上手くいって結果として発展するという考え方である。しかし、それは交換がスムーズにいくときの話で経済には交換が滞るときがある。そこでアダム・スミスは、政府は何もせず、全て市場に任せれば良いと言っている訳ではない。政府は国防、司法行政、公共設備の3つに関してコミットしなければならないと主張している。このようにアダム・スミスは市場メカニズムを重視し、「小さな政府」を主張しながらも、政府が最低限コミットするラインも同時に主張したのである。


「市場メカニズム」のメリットを活かしながらデメリット(独占市場、公害などの外部性)をいかに政府がコントロールするかが現在のコロナ禍における経済にとって重要な課題となるのではないでしょうか。

②マルクス経済学

カール・マルクス(1818-1883)
②のマルクス経済学は、カール・マルクスが考えた経済学である。カール・マルクスは資本主義を否定し、社会主義の思想を体系化した人物になり、この思想の背景には産業革命がある。産業革命により、資本家・企業家と労働者という立場がはっきり分かれることとなった。資本主義の世の中は、経営者や雇い主などの資本家いわゆるお金持ちが儲ける仕組みとなっており、マルクス経済学の人はこういった資本家やお金持ちが儲けることを非常に嫌う。カール・マルクスが1867年に発表した『資本論』では、資本主義では資本家と労働者の格差は広がる一方あり、さらに資本家が資本を蓄積して、労働者には資本が分配されないと述べている。そのため、資本を労働者に分配し、強調的な社会を作り上げようというのがこのマルクスの主張である。
こうした、主張に賛同した人達が世界各地で共産党を結成し、第二次世界大戦後次々と社会主義国、共産主義国が誕生した。こうした国家では、労働者保護を目的として賃金・雇用の計画的管理がなされたが、他の経済要因も管理・統制する必要が出てきて価格、生産、分配、流通、金融などが次々と統制され、経済社会全体の統制へとつながっていった。このような管理・統制は、恐慌を回避する効果(1929年の世界恐慌時、社会主義国であるソ連は被害がなかった)はあるが、「市場メカニズム」を無視した経済計画が実施されることになり、資源の無駄遣いや競争原理が働かないことによる技術革新の欠如という結果となる。こうして、20世紀の終わりに社会主義国、共産主義国は崩壊、あるいは資本主義への転換(ソ連崩壊、ベルリンの壁崩壊)を余儀なくされることとなった。

③ケインズ経済学

ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946)
③のケインズ経済学は、不況や今の日本のデフレ経済で人々がお金を使えないから政府がお金をばらまく必要があるという主張のものであり、これを提唱したのがジョン・メイナード・ケインズである。立場としては、共産主義を否定し、かつ資本主義も完璧ではないというスタンスである。1936年にケインズは、資本主義に修正を加えた『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表する。ケインズ政策として有名なものが、アメリカのルーズベルト大統領によるニューディール政策による公共事業である。そしてケインズ経済学に影響されている人々を”ケインジアン”と呼ぶ。そのケインジアンには、オールドケインジアンとニューケインジアンがいる。オールドケインジアンは、不況の場合、人々がお金を使わないなら、政府が代わりに使えばいいという「財政政策」を促す立場である。ニューケインジアンは、人々がお金を使わないなら、「金融政策」でお金を増やして人々がお金を使うように促す立場である。ケインジアンは、オールドでも、ニューでも、不況の時には需要を増やすように促すという主張は一緒であり変わらない。政府が直接使うことを総需要の喚起いわゆる「財政政策」、「金融政策」で需要を起こすことを貨幣現象とする。アベノミクスにより儲けたのは大企業やお金持ちとよく言われており、そういった側面もあるが、雇用が改善して若い人達も恩恵を受けたという側面もあるとされている。アベノミクスの中の金融緩和政策は、ニューケインジアンの支持する政策だが、古典派経済学からすれば「政府の市場への介入」であり、オールドケインジアンからすれば「デフレは貨幣現象」であり、マルクス経済学からすれば「お金持ち優遇政策」となり、三者三様に批判する対象となっている。
ケインズの主張のうち最大のポイントは政府がお金をばらまく、もう少し詳しく言うと、政府が積極的な公共事業を推奨し、「政府が借金しても公共事業をすれば、いずれ景気が良くなった時に税収が増えるので、借金は返済可能」というものである。


先進各国はケインズ政策の恩恵を受けてきた一方、特に1970年代以降、「インフレ傾向、財政赤字の増大」といった副作用に悩まされることになっていますが、改めてこのコロナ禍で消費が減っている世の中においてケインズの政策を是非参考にして欲しいと思います。

 

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