【税金の歴史】国民の3大義務!税金は原始時代からあった!?

教養/豆知識

2022年新年となり、確定申告を行う時期となってきましたね。きっと多くの方が確定申告を行っていることと思います。
いわゆる所得税の確定申告とは、ざっくり言うと1年間の所得をとりまとめて所得にかかる税金を計算し、国に納めるべき税額を報告する手続きのことです。
ですが、「そもそも税金って何?」「税金っていつから始まったの?」と、ふと考えてみたことがある人も多いのではないでしょうか?
実は税金という概念はなんと原始時代から始まっていたのです。
今回は当たり前のように感じている税金とは何か、また、税金の歴史についてざっくり簡単にご紹介したいと思います!

 

●原始時代から税金はあった!?
税金の仕組みは、長い歴史の中で時代の流れに合わせて変わってきました。
現在の税金の目的は、税として集めたお金を国民全員が利用出来る設備やサービスを提供し、生活を支えることを目的としたものになります。

しかし、税金は最初から現在と同じ仕組みだったわけではなく、税金についての歴史の細かい部分においては未だに謎に包まれております。
税金という概念は実は、原始時代から始まっていると考えられています。

この時代、同じ神様を信仰する人達が神様に捧げた貢ぎ物を後から全員で分け合うという仕組みがありました。これがいわゆる現在の税金の仕組みに似た原始時代の税制度になります。
税金とは、目的のために集めた物やお金を共に暮らすメンバーの間で分け合うという仕組みになります。

こうした税金の仕組みは、文明が古くからあるヨーロッパで取り入れられるようになりました。

●支配者による古代ヨーロッパの税制度
古代ローマでは、収入の10%を納めるというルールや買い物をする時にも税を納めるというルールがあったと言われています。
これは、まさに今の所得税と消費税そのものになります。

しかし、こうした税制度は支配者に利用され、支配者にとって都合のよい税制度へと変えられるという問題が発生しました。

この時代は、特に身分の差が激しく強力な権力を持つ支配者がいた時代ですから制度に従うことは絶対です。

例えば、臨時で突然、税の支払いを命じたり、数年分の税金を前もって支払うことを命じたりする支配者が現れました。こうして庶民はひどく苦しめられたのです。税制度は、国のために使われたのではなく、支配者の私腹を肥やすために悪用されたと考えられます。

こうして税制度は、幾度も変化をして形づくられてきました。

●重税により反乱が起きた中世ヨーロッパ
中世ヨーロッパでは、あご髭を生やすのに税金がかけられたり、あげくフランス革命が起きる前には、空気税といって庶民が空気を吸うのに税金を取るなど支配者は傍若無人を働いていました。また、王族や聖職者や貴族といった身分が高い者達には税金がかけられていませんでした。

庶民にこうした重税をおわせた理由や原因は、いくつかあります。当時は戦争により領土を拡大していく時代で戦争のたびに国家の財政が不安定になります。そのため、急な税を命じたり、税を前払いさせたりしたのです。また、特権階級の人間が国のお金で贅沢をしていたことも原因になります。特権階級の人間は、お金に困れば庶民に重税を負わせればよかったのです。

こうして、不満が高まった庶民は反乱を起こしました。これがいわゆる革命です。アメリカ独立革命やフランス革命はそれにあたります。
こうした歴史を通して国民全体が平等な生活を送れるように税制度はより公平なものへと成長を遂げていったのでした。

●日本の税の歴史
ここで日本の税の歴史についてふり返ります。
今から1800年ほど前、卑弥呼の時代にまで遡ります。当時の日本について書かれた魏志倭人伝に邪馬台国に住む人達は種籾や織物を卑弥呼に納めていたという記述があるそうです。しかしながら税制度としては確立していませんでした。税制度として確立したのは、奈良時代より少し前の時代とされています。

奈良時代の前の日本は、当時の中国を手本に改革が進められていました。その改革の1つが租庸調になります。
租は、男女の農民に対して収穫した稲の3%を納める制度。
庸は、成人男性が都で10日間働くかあるいは布を納めるかという制度。
調は、働くことが出来る男が布や海産物といった地域の特産品を税として納める制度。
こうしてみると、現在のようにお金を納めるのではなく物や労働を納めていたことが分かります。こうした、租庸調は、時代とともに年貢に変わっていきます。

室町時代になると、商人や職人にも税が課されました。関所での通行税が代表的なものになります。

戦国時代では、織田信長は商人が寺社や公家といった権力者に納める税を免除したり、関所を廃止して通行税を免除していきます。
そして、豊臣秀吉は太閤検地という制度を取り入れて農民が納める年貢をそれぞれの農地の収穫高によって決める改革を行いました。

江戸時代になっても、税制度は継続され、年貢は40〜50%だったという記録が残っているそうです。しかし、大変厳しいこうした年貢に対する制定は非常に緩く法の抜け穴が多かったため、江戸時代の農民の生活は昔よりも改善されていったと言われています。

明治時代になると、近代的な税制度が整えられます。土地を持っている人は土地の価格の3%を納めることが当時の法律によって定められました。所得税や法人税が課されるようになったのもこの頃で、税の支払いが原則お金になったのもこの頃からになります。

第二次世界大戦後、日本国憲法が制定され納税者が自分で所得や税金を計算して納税する申告納税制度が導入されました。こうした制度の導入は、アメリカの意向により現在に近い税制度となっていきました。

●税金の制度と課題
長い税制度の歴史を経て現在の日本には、50種類ほどの税金があります。
例えば、働く人全てが支払う所得税というものがあります。これには累進課税という制度が採用されており、所得によって税金の大小が決まります。

最近の日本は、消費税の増税など社会保障の財源を税金によって確保しようとしております。現在の日本は、少子高齢化により年金を受け取る人口が増加しています。そして、税金を納める労働者の人口が減少し、多くの社会保障に影響を及ぼしています。

ではなぜ消費税が増税されているのでしょうか?
消費税は国民全てが物を購入する歳に支払わなければならない税金であるとされていますが、全員が平等に負担するということは貧しい人にも裕福な人にも平等に負担がかかるという事で結果的に不平等ではないかという意見があります。

歴史上の特権階級が自分たちに都合の良いルールを作ってきたからこそ抜け道は必ず存在します。
これからも我々1人1人が税金について学び、より良い税制度になるよう考え続けていくことが重要になると思いますし、必要ではないでしょうか。
私も税金の知識は乏しいですが、これからも学び続けていきたいと思います。

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