現代のコロナ禍において仕事についてのキャリア形成や転職について考えたり悩んだりしている人は少なくないのではないでしょうか。この記事は、仕事の成果を上げたい!人として成長したい!今後求められる能力を知りたい!こんな方にオススメの内容の記事になります。
こうした方達にメンタリストDaigoさんがずっとオススメしてきたのが凡人が天才に勝てる方法である「クリティカルシンキング」になります!
今回はそんなクリティカルシンキングについて紹介したいと思います!
(本記事は、メンタリストDaigoさんの著作『悩む力』より抜粋したものになります。)
●クリティカルシンキングとは何か?
クリティカルシンキングとは、直訳では批判的思考という意味である。
一般的には、事実を客観的に分析し、合理的な判断をする能力のこと。これは今後最も必要とされる能力とされている。
アメリカのFIA(若者の学者改善に取り組む非営利団体)が2016年に出したレポートによれば、過去3年で世界中の企業が求めるようになったスキルとして、1位がデジタルリテラシー、2位がクリティカルシンキング、3位が想像性、4位がプレゼンテーションスキルである。デジタルリテラシーとは、インターネットを中心にデジタル情報や通信について、さらにはそれらを活用するパソコンやスマートホンなどの機器やアプリについて知識を持ち、利用する能力のこと。FIAによれば、1位のデジタルリテラシーと2位のクリティカルシンキングの需要が急激に高まっているとのこと。
そして、世界経済フォーラムのレポートによれば、第4次産業革命に必要な能力トップ10の1位が複雑な問題を解決する能力。2位がクリティカルシンキング、3位が創造性であり、こちらも2位がクリティカルシンキングとなっている。第4次産業革命は、これから来る技術革新のことであり、ロボット、AI、ブロックチェーンにおける仮想通貨、自動運転車、AR、VR、量子コンピュータなどこれらの技術に代表される産業革命のこと。
以上の研究から、クリティカルシンキングとは、事実を客観的に分析し、合理的な判断をする能力のことで、今後もますます需要が増えていくと考えられる。
いわゆる天才タイプで生まれつきの知性が高く、頭の回転が速くデータ処理が得意な人はその能力のみでそこそこ人生を上手くやっていけるため、複数視点を身に着けようとしないため、結果的にクリティカルシンキングを高めるモチベーションが低く、合理的な思考が苦手な人が多い傾向がある。そのためIQの高い人は客観的な思考を始める前に目の前のデータ処理に取り掛かってしまうことがあり、自分の能力を活かすことを重視し正確な意思決定から遠ざかってしまう。よって後天的なトレーニングでクリティカルシンキングを身に付けることで生まれつきの知性を持ったいわゆる天才を超えられる可能性がある。
そんなクリティカルシンキングが上手い人が行っている習慣として、自分が今どんな問題と向き合っているかを確認する「同定」、情報が信頼できるか偏っていないかどうかの「ソースチェック・バイアスチェック」、今分かっていること以外の別の可能性がないかどうかの「推論」がある。また、議論や物事を長く進めているときは最初の目的を忘れないための「欲求の確認」の習慣も大事である。そして、幅広い解決策を生み出すためには様々なことに幅広く興味を向ける「好奇心」を持つことが必要である。特定の分野だけでなく、幅広いジャンルから役に立ちそうな情報を集めることはクリティカルシンキングを行う上でも最も重要な習慣の一つである。
●クリティカルシンキングのメリットとは?
1.キャリアの成功に繋がる
2.意思決定が上手くなる
3.自己理解が上手くなる
4.未来を予想しやすくなる
5.コミュニケーションが上手くなる
6.嫌な気分が軽くなる
7.騙されなくなる
8.発想力が上がる
この8つの大きなメリットについての詳細は以下である。
1.キャリアの成功に繋がる
今後クリティカルシンキングは価値が高まっていくとされるため、キャリア形成に有利になる。そんなクリティカルシンキングはどんな仕事をするにも役に立つ。弁護士、会計士、医師など分析能力が必要とされる職業だけでなく、どんな仕事をする人でもクリティカルシンキングは必要である。クリティカルシンキングは難しいものではなく、日常的に使っている考え方であり、どうやれば効率よくこなせるのか、要領よくこなせるのかを考えられる力である。これからはAIやロボットを上手く使える側の人が有利な時代となる。情報の分析力、計画力、問題解決能力といったクリティカルシンキングが優れている人こそ、テクノロジーを上手に利用できる人であり、テクニカルシンキングが優れている人はキャリアを有利に進められると考えられる。
2.意思決定が上手くなる
クリティカルシンキングが優れていると合理的な選択が取れるようになる。人生は絶え間ない選択の連続であり、どんな仕事をするのか、転職するのかしないか、持ち家に住むのか賃貸に住むのか、何を食べるかなど大なり小なり無数の意思決定をする。このような選択においてクリティカルシンキングが長けている人の方が良い選択が出来る。人生は選択の連続であり、若い時からクリティカルシンキングを磨いておくと若い時から良い選択が出来て「費用対効果」が非常に大きい。
3.自己理解が上手くなる
客観的に自分を分析することで、正しく自分のことが理解できる。組織心理学者のターシャ・ユーリック博士は、95%の人は自分のことは自分が一番よく分かっていると思っているが、実際の理解度は10~15%に過ぎないと結論付けている。ほとんどの人が自分の能力がしっかり理解できていないと結論付けているのである。つまり、私たちは主観で自分を見ると間違う可能性が高いということであり、客観的に自分を見る必要がある。そうすることで正しい自己理解が出来る。クリティカルシンキングを使って自己分析をする必要があるのということである。そもそも自己理解のメリットは多く自己理解が深い人ほど「仕事や学業の成果が高い」あるいは「人生の満足度も高い」といったことが多数の研究で報告されている。人生でやりたいことが何なのかが分かっている、価値観がはっきりしている人ほど能力を発揮出来ているし、幸福度が高いということである。
4.未来を予測しやすくなる
今ある情報を整理し、起こりやすい未来を分析できるようになるため。
5.コミュニケーションが上手くなる
相手の意図を理解し聞き上手になれるから。
6.嫌な気分が軽くなる
自分がネガティブな時、その原因について客観的に分析すれば前向きになれるから。
7.騙されなくなる
クリティカルシンキングの直訳で批判的思考を持つことで情報を鵜呑みしなくなるため。有効な手段として、①議論を単純化する、②定義の一貫性チェック、③空雨傘で推論チェックの3つがある。①議論を単純化するは、「一言で言うとどういうことですか」「ポイントを3つの絞ってもらえますか?」などの質問をして横文字やまわりくどい言い方に対処する方法。②定義の一貫性チェックは、メリットばかり伝えてくる人に対して、「最初におっしゃっていたあなたが一番可能性を感じているのは何でしたっけ?」いった質問をすることで相手の嘘を見抜く手法。③空雨傘で推論チェックは、空(客観的な事実)→雨(事実に基づいた解釈)→傘(解釈に基づく判断)で相手の推論が繋がっているかチェックする手法であり、全てが繋がっていればひとまず推論として成り立っていると考えてよい。
8.発想力が上がる
前提や前例を疑う力、既存の知識を組み合わせる力などにより発想力が上がるため。
●クリティカルシンキングの磨き方とは?
クリティカルシンキングを磨く方法としてソクラテス式問答法というものがある。ソクラテスは古代ギリシャの哲学者で「問答法」を使ったことで有名な人物である。「問答法」とは対話によって相手の矛盾や無知を自覚させつつ、より高次の認識・心理へと導いていく手法のことである。つまり、簡単に言うと質問攻めをすることで相手の思考を深めてあげるというものである。
このソクラテスの問答法が現代においても有効であるとして、ソクラテス式問答法が様々な分野で活用されている。ソクラテス式問答法とは他者ではなく自分で自分に質問攻めをし、自分の思考を深めていくものである。自分の頭の中に浮かべたソクラテスと対話するイメージである。この方法は、論理的思考やクリティカルシンキングを磨く方法として有名である。そして、このソクラテス式問答法は認知療法として医療の世界で利用されてもいる。
そんなソクラテス式問答法には6つの質問方法があり、1.明確化の質問、2.前提調査の質問、3.証拠の質問、4.視点の質問、5.影響と結果の質問、6.疑問の質問がある。この6つのタイプの質問を自分自身にすることで思考が洗練される。
☆ソクラテス式問答法における6つの質問方法
1.明確化の質問
問題を明確にするための質問であり、具体例としては以下である。
・○○はどのような意味か?
・その本質は何か?
・その具体例は何か?
・それのゴールは何か?
ぼんやりとした問題をはっきりとさせる用途がある。
2.前提調査の質問
前提を深堀りするための質問でクリティカルシンキングの中で最も重要な質問であり、具体例としては以下である。
・そもそもそれの何が重要なのか?
・そもそもなぜそれをやりたいのか?
・それは簡単なのか難しいのか?
前提を疑いよりポジティブな対策を見つける用途がある。
3.証拠の質問
証拠があるのか、それは正しいのかを掘り下げる質問であり、具体例としては以下である。
・それの根拠は何か?
・その根拠は正しいのか?
・なぜその根拠が正しいと言えるのか?
・実例はあるのか?
4.視点の質問
別の視点を持つための質問であり、具体例としては以下である。
・他の方法はないのか?
・どんな反対意見があるのか?
・それの長所と短所は?
違う角度から思考を促し新しいアイデアを生むという効果がある。
5.影響と結果の質問
結論の精度を高めるための質問であり、具体例としては以下である。
・それをやるとどんな結果になるのか?
・それはどこにどんな影響を与えるのか?
・その結論で良いのか?
対策がたくさん出た場合に、どの対策が正しいか精査する用途がある。
6.疑問の質問
質問に対して答えられない時に使う質問であり、具体例としては以下である。
・なぜこの疑問が重要なのか?
・この疑問についてもっといい質問はないか?
どうしても答えられない質問に対して、答えられない質問を分解することで膠着状態から抜け出せる可能性があり、これこそが疑問の質問である。改めて問題の本質を確かめ理由や動機を明らかにする用途がある。これについては、完璧主義ではなく「着手主義」を持って、着手する事が正義という考えを持つとよいと考えられる。何も考えず動き出す。ネガティブな意味にとらえられそうだが、動き出すといろんなことが見えてくる。見えてきたらその対策を考える。それを繰り返すことで経験値も上がる。これが「着手主義」である。
●結論
・クリティカルシンキングは今後需要が高まるスキル。
・クリティカルシンキングを磨けば意思決定がうまくなる。仕事においても有利な展開になるメリットがたくさんある。
・クリティカルシンキングを学ぶことは費用対効果が良い。
●感想
この内容を知ったことで、今日からクリティカルシンキングを磨いていくべきだと思いました。事実を客観的に分析し、合理的な判断をする能力これはあらゆる場面で使えることなので日ごろから磨いていかないともったいないですよね。ソクラテス式問答法によって自分自身に質問攻めを行い、合理的な思考を身に付けていきたいと思います。「なぜ?」や「何?」を繰り返すことで、自分自身の奥の方に眠っている思考方法の気づきや問題点やまた良い点など新たな発見があると信じて実践したいです。いわゆる天才型のタイプの人は、主観的に考え行動し、没頭するということが非常に優れているのだと思います。しかし、クリティカルシンキングは万人が身に付けられる能力であり、これは天才型の人をも超えることが出来る能力なのかもしれません。こうした様々なメリットがあるクリティカルシンキングですが、私としては「自己理解が上手くなる」ことによって自分が持っている価値観や考え方をまずしっかり理解できるようになりたいと思います。
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