有名人から学ぶ転職のヒントについて紹介したいと思います!私も車メーカーから電池メーカーへの転職経験がありますので、その経験から共感出来るものや知らなかったことなどについて紹介していきたいと思います。
「ポスト平成のキャリア戦略」著者の塩野誠さんと、「ニュータイプの時代」著者の山口周さんの対談の記事〈会社を辞めても目減りしない!―ポータブルな人的資本と社会的信用はどう作る?〉を抜粋したものになります!
◇山口周さんと塩野誠さんが言いたいポイント
・人間にとって、何が大事かというとやはり”常識”である。
・良い評判を残すには、修羅場や大事な局面で仲間を裏切ったり、自分事に利益を考えたりすることはしないことである。
・会社を辞めたら年収が1/3になるという状態は、真善美に劣る。そのためには、常にポータブルな資産を身近に置いておくことが必要である。
⚫︎30からはスキルより、性格・人格が大事!
・AIには常識がない。人間は腕や足があって、何かあったら痛いという身体性が常識だが、機械は常識を教えない限り常識を得ることはない。
・戦略コンサルはロジックを積み重ねて戦略を立てていくが、ロジックの積み重ね方によっては、あきらかに常識的に受け入れられないとんでもない結果が出てくる可能性がある。そこで重要になるのが常識である。
・“常識”は言語化がすごく難しいスキルで基本的には言語で教えられないものであり、一言でいうと「センス」である。
・30歳くらいからはスキルよりも性格・人格があきらかに意味を持つ。
・人間の素晴らしい機能とは、要らない情報を落とす「枝落とし機能」である。この世界全ての情報を入力したら、あっという間に狂人になる。私たちはだいぶ枝を払いながらその情報を見ているという状態であり、そうしたセンスを持ち合わせることが大事である。
⚫︎人から信用される評判を残す!
・「真面目な不良は不真面目な優等生」だと考える。例えば教師がめちゃくちゃ理不尽なことを言っているのに、何も文句を言わずに聞いているというのは、自分のモラルに対して不誠実だと思う。
・自分が考えているロジックとかモラル、真善美に対しておかしいと思ったら妥協せずに戦うこと、その意見が合わないときは逃げてみることも一案である。
・本質的に大事なのはその瞬間・瞬間の修羅場や大事な局面で仲間を裏切ったり、自分事に利益を考えたりすることをしないことである。そうすることで、あの人は信用出来るという評判は残る。
・いま不祥事があちこちで起こっているのは、企業の劣化の1つの証拠でもある。これは、社内の人たちの真善美の感覚が上がってきたとも考えられる。企業経営も数字を伸ばしていくのが厳しい中で、KPI※を設定してやらせると必ずどこかでごまかさないといけない状況が起こる。そして、これは告発しなければならないという問題意識を持つ人が出てきて、次々と不祥事が発覚しているのではないかと考えられる。
※ KPIとは、組織の達成目標(売上高など)に対して、目標達成度合いを評価する評価指標のこと。
⚫︎ポータブルな人的資本と社会的資本を持とう!
・生きていくためには、人としての資本が必要になる。その資本とは、お金を生み出す元手や、貯金や株といった金融資本と、スキルとかコンピテンシー、知識など人に付随している人的資本と、人の評判や、あの人は頼んだら動いてくれるという友人関係のような社会的資本である。
・人的資本と社会的資本は、基本的には仕事をすることでしか作れない。
・日本では、部下が上司に対してOpinion(提言)はほとんど行われていないし、Exit(退出)はなかなかできない。そのため、社会的資本と人的資本が会社を移っても目減りしないようにしておく必要がある。
・アメリカでは、Googleの社員が署名を集めて経営陣に突き付け、人工知能の武器への転用を止めさせたという出来事がある。経営陣に「社是で悪魔にならない、邪悪なことはしないとあるのに、人工知能を金儲けの道具として武器に搭載したり、ペンタゴンと一緒に研究するなど、邪悪そのものじゃないか。お前ら何をやっているんだ」と、署名を集めて経営陣に突きつけるという極めてリスクのある行為を社員が行なったのである。それに対して、Googleの経営陣は「君たちの言う通りだ」と認め、結果的に人工知能を武器に活用することはしないと内外に発表した。まさに経営陣にOpinion(提言)を行なったのである。そして、一部の社員は会社を辞めるというExit(退出)をして態度をを示したのである。これは、シリコンバレーの人たちはポータブルな社会的資本、人的資本をすごく持っており、特にGoogleに在籍していたという経歴自体が一種の人的資本であるためこういった対応が出来たとも考えられる。
・1つの会社に人的資本と社会的資本をどんどん蓄積して、会社を辞めたら年収が1/3になるという状態になると、真善美に劣る。また、真善美に劣ることをして結果的に自分の人生を壊したり、子どもに対してプライドを持って語れるような人生を歩めなかったりなど、非常に悲しい事態を避けるためにも、常にポータブルな資産を身近に置いておくことが必要である。
⚫︎感想
ひとつの会社内だけで人的資本と社会的資本を積み上げるのではなく、社外にも積み立てておき、もし”転職”したり、”個人事業主”になっても持ち運べるようにしておくが重要であるということがとても勉強になりました。また、人から信用される評判を残すためには、自分が考えているロジックやモラル、真善美に対しておかしいと思ったことは戦うことが大事であるということ、これは、いざやろうと思うとなかなか難しいと思いますが、自分が理想としている生き方をずっと守る、ある意味で自分自身に負けないことが重要ではないかと感じました。自分というものをしっかり持ち、”常識”のある大人になるように努力したいと思います。
~山口周さんに学ぶシリーズ~
➡【転職の基礎知識①】山口周さんから学ぶ終身雇用と年功序列についてに戻る
➡【転職の基礎知識②】山口周さんから学ぶ仕事選びにおける落とし穴とは!?に戻る
➡【転職の基礎知識③】山口周さんから学ぶ転職における攻めと逃げとは!?に戻る
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