【転職の基礎知識③】山口周さんから学ぶ転職における攻めと逃げとは!?

仕事

自動車メーカーから電池メーカーに転職経験がある私から転職について何かお役立ち出来ないかと思いこの記事を書かせていただきました。
転職を考える上で、”攻めの転職”と”逃げの転職”について改めて考えてみたいと思います。
そこで今回は「ニュータイプの時代」の著者山口周さんの記事〈「攻め」の転職と「逃げ」の転職の違い 山口周が語る、幸福になるための仕事選び〉から、逃げの転職の誤解と注意点について紹介したいと思います!

 

●山口周さんが言いたいポイント

①逃げの転職は決して悪くない!
②逃げの転職の場合は出来るならば半年待って考える!

・転職には自分のやりたいこと、よりなりたい自分へ近づくための”攻め”の転職と自分にとって望ましくない、耐え難い状況から脱するための”逃げ”の転職の二つのタイプがある!
世の中には”攻め”の転職はいいけど、”逃げ”の転職はよくないと述べる人もいるが、あまり気にしなくていい。今、非常につらい職場環境にあるのなら精神の健康を、ひいては自分の人生を守るためにもすぐに逃げるべきである!

 

●逃げの転職は悪くない!
“逃げ”の転職は、本来的に内部からのコーポレート・ガバナンスが効き難い日本企業に対して、経営の是正措置をとらせる強力な圧力の一つである。
・コーポレート・ガバナンスとは、経営者の経営執行状況をチェックして、必要に応じて是正措置をとらせるシステムのことである。このコーポレート・ガバナンスのシステムにおいて、チェックおよび必要に応じて是正措置の要求を行うのが従業員・取引先といったステークホルダー”と呼ばれる者の役割である。”ステークホルダー”とは、大きく「オピニオン」と「エグジット」の二つを、是正措置の要求手段として持っている。
・例えば、株主においては、経営者の経営状況に満足していれば「株を買う」という形で賛意を表し、不満足であれば「株主総会で文句を言う=オピニオン」「不信任案を提起する=オピニオン」「株を売る=エグジット」といった形で是正措置を要求出来る。
また、顧客においても、経営の状況に満足していれば「取引を継続する」または「取引量を増やす」という形で賛意を表明するが、反対であれば「営業担当に文句を言う=オピニオン」「取引量を減らす=オピニオン」「取引をやめる=エグジット」といった形で意見を表明したり圧力をかけたりすることができる。
・しかし、従業員においては、非常に限定的な要求手段しかないのが日本の現状である。そして、「反対意見の表明=オピニオン」が難しい。逆に賛意という点については、会社に居続けることで消極的ではあるが賛意を表明できるし、また、積極的に仕事を頑張る、外部向けのPRや採用活動に貢献するといった形でも、賛意の表明は可能である。しかし、経営陣に対する要求手段は、ほとんど閉ざされているのが現状であり、法的に担保されているのは労働組合を通じた意見表明であるが、結局「組合としての意見」になってしまい、個人の意見をそのままぶつけることが出来ない。
・以上から、従業員にとって最も強力な反対意見の表明方法は”退職=エグジット”ということになる。日本企業のコーポレート・ガバナンス構造において、従業員が経営者に対して強く反対表明をする方法は退職以外にないということである。
“逃げ”の転職は当人にとっては逃げかも知れないが、内部からのガバナンスを効かせにくい日本の企業にとっては、大変重要な気づきを与えてくれるきっかけになる。

 

●逃げの転職の注意点とは!?
“逃げ”の転職に対して、決してネガティブではないが、一点だけ注意を促しておくと「あと半年待てないか?」についてよく考えてみる。
・会社生活において、いいことが続けばその後悪いことが起こり、悪いことが続けばその後いいことが起こる。結局は長い目で見れば「平均値」に落ち着いていくのである。”逃げ”を打ちたくなるようなつらい状況は、時間を経ると「平均への回帰」によって、自然に改善してしまう可能性があるということである。
・もし、状況が今後改善する方向に向かう可能性が多少でもあるのなら、「いまの状況が悪い」というだけで転職してはもったいない。さらに、状況が悪いときは精神的にも肉体的にもエネルギーレベルが落ちているので、人生の舵を大きく切るようなことをするのはリスクが大きい。
・自分の状況は株価と同じで上昇したり下降したりする。状況が悪いときに”逃げ”の転職を実行するのは、株価が下がった局面でこれを売却し、別の株を買うことと同じである。これを繰り返していくと、資産はどんどん縮小していってしまう。
・喉元過ぎれば熱さを忘れる!会社全体の社風と自分のパーソナリティが完全に合っていないといった、どうやっても改善しようがない問題でない限り、じっと待ってみる、というのも有効な戦略の一つである。

 

●感想
私自身、転職が長引いたので自然と半年以上経ってしましたが、やめたい気持ちはどんどん膨らんでいきました。ですので、この記事にある逃げの転職の場合は半年待ってみるという内容を見て時間をかけて転職したことは良かったのではないかと改めて感じております。
また、株の資産の考え方はまさにその通りだと思いました。山口さんのおっしゃるように”逃げ”の転職は、悪いと一方的に決めつけてしまうのは間違いだと思います。しかし、一旦落ち着いて考えるということも大事だということを忘れずにこれからもじっくり考えながら社会人生活を過ごしていきたい所存です。

 

~山口周さんに学ぶシリーズ~
【転職の基礎知識①】山口周さんから学ぶ終身雇用と年功序列についてに戻る
【転職の基礎知識②】山口周さんから学ぶ仕事選びにおける落とし穴とは!?に戻る
【転職の基礎知識④】山口周さんから学ぶ働く上で大切なこととは!?に進む
【転職の基礎知識⑤】山口周さんに学ぶポータブルな人的資本の作り方とは!?に進む

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