【転職の基礎知識①】山口周さんから学ぶ終身雇用と年功序列について

仕事

自動車メーカーから電池メーカーに転職経験がある私から転職について何かお役立ち出来ないかと思いこの記事を書かせていただきました。
転職を考える上で、まずは日本社会でよく耳にする「終身雇用」と「年功序列」について考えてみたいと思います!
今更かよ!という方もいるかもしれませんが、その成り立ちや制度について改めて考えてみることで転職への後押しになるかもしれません。
終身雇用と年功序列に関して私がぱっと考えるのは、
①終身雇用⇒同じ会社でずっと働けるのになぜ辞める!?
②年功序列⇒若いうちは安い給料でも文句を言わず働きなさい!

というこの2つの制度からは、この裏のメッセージがなんだか伝わってきます、、
相当ひねくれた性分なのかもしれませんが、しかし若いうちから「若いうちからいい給料をもらいたい!」「色々な職業に挑戦したい!」という気持ちは多くの若者が持っていると思います!むしろその考えの人の方が上昇志向があります。そういう考え方を持つ人にとって、この2つの言葉はなんだか邪魔な存在に思えて仕方ありません。
そこで今回は「ニュータイプの時代」の著者山口周さんの記事<終身雇用は日本の伝統は幻想である、山口周が語る幸福になるための仕事選び>から”終身雇用と年功序列”について考えてみたいと思います!!終身雇用や年功序列について間違った認識やイメージがあることを知ることができると思います。

 

●終身雇用の成り立ち(転職はなぜ不道徳と考えられるのか?)
終身雇用とは、同一企業で業績悪化による企業倒産が発生しないかぎり定年まで雇用され続けるという、日本の正社員雇用においての慣行である。長期雇用慣行ともいう。(wikipedia情報)

〈終身雇用についての山口周さんの見解〉

・終身雇用は、日本文化に根付いた伝統的な美徳であるというのは間違った認識である。
・終身雇用は、太平洋戦争の忘れ形見とも言えるものであり、日本古来の伝統とは全く関係がない。

・終身雇用はごく最近、しかもアメリカ人によって作られた言葉であって、「日本古来のもの」などでは全くない。
終身雇用が日本企業に根付いたのは戦後のことである。
・大正時代の政府統計を見ると、勤続年数が10年以上となっているホワイトカラーは数パーセント程度で、ほとんどの人が数年で職場を変わる状況だった。
・戦争により、首都が焦土になり、経済も人心も崩壊した日本を立て直すには、戦時体制的な挙国一致の活動が必要になるといった国家政策として組み込まれたもの。
・政府がリーダーシップをとり、戦略的に育成する産業を決めて、そこに労働力をつぎ込み、できるだけ早く育成することが望まれるが、その際に労働コストの上昇が問題になります。労働市場を活性化させて労働コストが上昇すると、日本の産業の国際的な競争力を阻害することになる。
・労働市場の活性化、労働コストの上昇は、労働者本人にとっては「より自分に合った仕事、より高い給料」が得られるので望ましいことだが、国家全体の観点から考えれば、「個人個人が自分に合った仕事を見つけて、高い給料をもらう」よりも、「個人個人の適性とは関係なく、政府が決めた重点産業に大量の人員が投下され、長期間ロックインして習熟度を高める(これが年功序列、終身雇用の原点)」ことのほうが都合がよい。
・戦後も戦時中と同じことを考え、日本政府は労働市場を活性化させて、労働コストが上昇し、重要産業内の企業が国際的な競争力を失うことがないように、労働コストを低く抑え続けることで、コスト競争力を高めようとしたのである。これが結果的に、終身雇用、年功序列という戦中期から続いていた傾向を、より強固に定着化させることに寄与した。

<感想>
このように話を聞くと終身雇用は、政府の意向に組み込まれているようでなんだか個人的には居心地が悪いです。そして、終身雇用の文化はあくまで最近だという情報が目からうろこでした。「新卒で入社した会社で定年まで働き続けるのが普通なんだ」という親の意向など気にする必要はありません。何せ大正時代には終身雇用などなかったのです。元々古来から伝わる日本の伝統ではないのです。このように聞くとなんだかスッと気持ちが楽になった方もきっとおられると思います。今の時代、また今の時代に限らずこれからも色々なスキルを身に着けて挑戦しようという気持ちは大切であり、尊重されるべきものなのです。

 

●儒教文化と適合?(年功序列)
年功序列とは、官公庁や企業などにおいて勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度・慣習のシステム。(wikipedia情報)

〈年功序列についての山口周さんの見解〉

・日本は儒教の国だから年功序列であり、これが原因で雇用流動性が低いというのは間違い。
・中国就職人気ランキングで日本企業は軒並み人気がない。

・終身雇用や年功序列を礼賛する理由としてよく聞かれるのが、「日本の文化的な側面と適合している」という主張であり、要するに「日本は儒教の国だから年功序列がいい」という認識である。しかし、これが原因で雇用流動性※を高められないというのは、極端な話である。
・この間違った認識では、中国や台湾の方が儒教的側面がより強く社会に浸透しているにも関わらず、雇用流動性が日本より高いという事実を合理的に説明できない。
中国の就職人気ランキングで、年功序列制度を採用している日本企業は、「年功序列でなかなか管理職になれない」という理由で常に低位に甘んじている。この事実は、儒教が浸透している社会において、必ずしも年功序列や終身雇用が選好されるわけではないということを示唆している。
※雇用流動性とは、労働者が会社を移りやすくし、労働市場が流動化されることによって、産業のさらなる発展と成長が起こり、雇用市場が活性化するのではないかという考えのこと。

<感想>
政府が長期間働いてもらうために年を重ねればだんだん給料が上がっていくというシステムを構築したものだということが改めて分かりました。私自身、年功序列に関しては、基本的にはいいものだと思っております。年上を敬い、尊重するという文化はとても大切だからです。しかし、あくまでお給料に関しては、別問題だと思います。スキルが高く仕事が出来る人に給料が注がれるべきであり、おそらく民間企業でそういった昔ながらの年功序列を採用している会社の人気はどんどん下がっていくと思います。

 

~山口周さんに学ぶシリーズ~
【転職の基礎知識②】山口周さんから学ぶ仕事選びにおける落とし穴とは!?に進む
【転職の基礎知識③】山口周さんから学ぶ転職における攻めと逃げとは!?に進む
【転職の基礎知識④】山口周さんから学ぶ働く上で大切なこととは!?に進む
【転職の基礎知識⑤】山口周さんに学ぶポータブルな人的資本の作り方とは!?に進む

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