【童心に戻れる映画】スタンド・バイ・ミー〜スティーヴン・キング〜

映画/ドラマ

映画 スタンド・バイ・ミー
監督 スティーヴン・キング
公開 1986年
※ネタバレあります

誰にでも楽しくて無邪気だった子供の頃があります。そんなかけがえのない子供時代のあの頃に戻れる映画「スタンド・バイ・ミー」について紹介したいと思います!
この映画は、12歳の少年4人の2日間の旅を描いた映画になります。無邪気にふざけあったり、度胸試しをしたり、怖い夜を過ごしたり、すごく楽しい冒険です。しかし、彼らにはそれぞれ悩みがあります。複雑な家庭の事情、将来、家族との関係、そして生と死。これら全てが見事なタッチで描かれている非常に魅力的な映画です。
気になった方は是非、こちらの記事をご覧になり改めて映画をチェックしてみてください!

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●登場人物
ゴーディ(主人公)
穏やかで頭の良い主人公のゴーディは、大好きな兄が最近死んでしまい、ショックを抱えております。優秀で優しい兄が、家では中心的存在だったため、内向的で文章を書くゴーディは、両親にあまり注目されていません。ゴーディも、それをコンプレックスに思っています。この映画は大人になり、作家になったゴーディが子供時代を回想するというストーリーになります。

クリス
ゴーディの親友で、メンバーの中でリーダー格を務める短髪の少年。ワルぶってはいますが、本当は賢く優秀で繊細な少年です。

テディ
ノルマンディーの戦いで活躍したという父に憧れ、父から暴力を受けており、耳を焼かれていても父を慕っています。そんな父は精神病院に入っています。何をしでかすか分からないですが、悩みを抱える12歳の黒ぶちの眼鏡をかけた少年。

バーン
少し小太りの少年で内気で臆病、弱気なところがある少年で仲間達からいじられています。旅のきっかけとなる死体探しの死体情報をもらしたのはバーンになります。

少年期特有の仲間意識で結ばれているこの4人の関係やそれぞれのキャラクターのバランスが非常に良いです。

 

●ストーリー
クリスが刺殺されたことを告げる内容の新聞記事が、主人公ゴーディに懐かしい過去を思い出させる所から物語がスタートします。
1950年代末、アメリカ合衆国の小さな町キャッスルロックに住む、それぞれ心に傷を持ったゴーディ含む4人の少年たちが好奇心から、線路伝いに“死体探し”の旅に出るという、ひと夏の冒険が始まります。ゴーディや仲間達にとってはその小さな町・キャッスルロックが、世界のすべてでした。
バーンが町のどこかに地元の少年の死体があるという噂を聞き、発見できれば地元の英雄になれると考え仲間に報告します。そこから4人は死体探しをしに行くことになります。4人はキャンプをすると家の者に告げ、集合することにします。死体探しの旅の途中にいろいろなハプニングが起こりますが、それを仲間たちと一緒に乗り越えていくというストーリーになります。
↑線路伝いに歩くシーン
最終的に4人は、死体を見つけますが複雑な気持ちの中キャットスルロックに戻り4人はそれぞれの家へ帰りました。4人のその後については、まずバーンは高校卒業後、結婚し、4人の子持ちで、製材所に勤務してます。
テディは目が悪くて希望の軍隊に入れず、一度刑務所へ行き現在は臨時雇いです。
ゴーディの1番の親友クリスは努力して弁護士になりますが、先に述べたように後に偶然居た場所で殺されてしまいます。
そして、主人公ゴーディは夢を叶え作家になったのでした。
「仲間との友情、複雑な家庭環境のなかで、あの頃のような友達は二度とできることはなかった」とゴーディは振り返り、あの名曲”stand by me”が流れ映画はエンディングとなります。

 

●印象的なシーン
①テディが立ち入り禁止区域のオーナーに言い返すシーン
立ち入り禁止区域のオーナーと鉢合わせたゴーディは、オーナーの犬から必死で逃げます。
フェンスを乗り越えて逃げ切ったゴーディたちに、オーナーは悔し紛れに暴言を吐きました。
テディはお父さんをバカにされたためオーナーに言い返します。お父さんをかばおうとテディの剥き出しの感情がよく表れたシーンになります。テディは、激しく言い返しますが、その後悔しくて泣いてしまうのも純粋な子供の気持ちをうまく描いていると思います。

②列車が来るシーン
ゴーディがなんとかバーンを助けるシーンになります。
クリスとテディは渡り終えましたが、それまでよつんばいだったバーンとゴーディは、ぎりぎりでなんとか渡り終えます。バーンのとろさが良く出ています!笑

③ゴーディにクリスが泣きながら悩みを打ち明けるシーン
夜になり森でたき火をして野宿しているシーン。
クリスは「ただ誰も僕を知らない土地へ行きたい」家庭の悪さゆえに、信じていた先生にも裏切られてしまったことをゴーディに打ち明けます。最初クリスはあの家の子だからと言われてしまい、自分自身を見てもらえないので自暴自棄になり、父や兄のように犯罪に手を染めたりする人間になろうかと考えます。しかし、彼は変わろうとしています。誰にも言えなかった苦しみを泣きながらゴーディに打ち明けるこのシーンは、とても切なくクリスを励まし勇気づけようとするゴーディに感動します。

④ゴーディが泣きながら怖くて言えなかったことをクリスに打ち明けるシーン
ゴーディはクリスに、なぜ兄が死んで自分は生きているのだろうと言い、父は自分こそ死ねばよかったと考えているだろうと話しました。泣いているゴーディにクリスは優しく静かに話しかけます。「パパは君を知らない。君は大作家になるよ。書く材料に困ったら、ぼくらのことを書け」作家になると信じて疑わない姿は、亡くなったゴーディの兄と同じでした。ゴーディはクリスのこの言葉に救われ、この言葉が大人になったゴーディに子供時代の冒険を思い出させたのではないしょうか。

⑤少年達が波乱に満ちた冒険を終え、キャッスルロックに戻るラストシーン
ゴーディーのナレーションをバックに懐かしい回想から醒めていきます。

〈以下ラストシーンの全文〉
”帰り道、いろんな思いが頭をよぎったが、みな黙ってた”
”ひと晩歩いて町に戻ったのは、日曜日の朝5時。労働者の日の前日だった”
”たった2日の旅だったが、町が小さく、違って見えた”
バーン「また学校でね」
ゴーディとクリスがうなづく
テディ「中学でな」
バーンとテディは、それぞれ自宅に戻っていった。
”やがてテディやバーンとは会わなくなった”
”学校で顔を会わすだけの付き合いに”
”よくある事だ”
”友だちはでき、また離れていく”
”バーンは高校のあと結婚し、4人の子持ちで、製材所で働いてるそうだ”
”テディは目が悪くて希望の軍隊に入れず、一度刑務所へ行き今は臨時雇いで働いてる”
ゴーディとクリスは隠れ家のツリー・ハウスの下で
町を見下ろす。
クリス「ぼくは一生この町にいるのかな」
ゴーディ「。。何だってできるさ」
握手をして別れる2人。
ゴーディはクリスの背中を見ていた。
彼が見えなくなるまで、、
”彼は町を出た”
”ぼくと共に進学組に進み、彼らしく、とても努力した”
”そして大学へ行き、弁護士になった”
”先週、彼がレストランに入ると、前にいた2人がケンカを始めナイフを出した”
”クリスはそれを止めようとした”
”そして喉を刺され即死したのだ”
場面は現代に切り替わり、執筆作業中の
ゴーディは小説の最後を締めようとしていた。
”クリスとは10年以上会ってなかった”
”だが永遠に彼を忘れはしまい”
”あの12歳の時のような友達はもうできない”
”もう二度と”

クリスは、ゴーディに励まされたことで努力してクリスと同じ進学組に行き弁護士になります。一方、作家になり夢を叶えたゴーディは、クリスの約束通り少年時代の冒険を小説にしているのです。2人の強い絆が伝わります。

 

●感想
何よりエンディングの曲がサイコーです!
この映画は、大人になって歳を経るごとに非常に味わい深い作品になっていくと思います。
子供特有の繊細な感情や興味本位による衝動的な行動など複雑な内面が見事に描かれています。クリスはゴーディに言われたとおり、進学コースにすすみました。その後も勉強して大学を出て弁護士になり、活躍していました。ラストはちょっと切なく悲しいですが、温かい気持ちになります。
この映画は、昔の子供の頃の仲間達を思い出させてくれるめちゃくちゃいい映画です。
きっと誰もがかけがえのない時間を思い出すことでしょう。

 

●補足
本作は実話ではないが、スティーヴン・キングの実体験をもとにして描かれた作品です。本作に登場するゴーディはスティーヴン・キング自身を照らし合わせて作り出されたキャラクターなのだそうです。言われてみるとゴーディは大人になってから作家として生きていて、スティーヴン・キング自身も小説家です。
不良のリーダー役は24のジャックバウアー役のキーファー・サザーランドです。

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