【社会人必読書】〜ディズニーCEOが実践する10の原則〜について

読書

ディズニーCEOが実践する10の原則
ロバート・アイガー著

本書の内容をざっくりまとめます。
(※ネタバレ含みます。)
最後に感想書きました。

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ディズニーCEOが実践する10の原則 [ ロバート・アイガー ]
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●10の原則
1.前向きであること
2.勇気を持つこと
3.集中すること
4.決断すること
5.好奇心を持つこと
6.公平であること
7.思慮深いこと
8.自然体であること
9.常に最高を追求すること
10.誠実であること

 

●本文要旨
〜学ぶ〜
ABCスポーツの時、下っ端の時代ルーン=アーリッジに鍛えられた。ルーンはスポーツイベントを放送する上で物語を伝える役割があることを重要にした。決して妥協はせず、常に最高を追求した。自分が、誰よりも汗水垂らせる人間だということが1番大切。自分の仕事に集中する。
1985年、34歳でABCスポーツのバイスプレジデントになった。1988年、冬季オリンピック後ABCテレビのNo.2であるエグゼクティブバイスプレジデントにり、そしてABCエンターテイメントの社長になった。
『本物のリーダーシップは、自分が何者かを知り、誰かのふりをしないことである。』
・デビッドリンチのツインピークスをなんとしてでも放送するように奮闘する。他のどのチャンネルでも見られないような独創性を打ち出せるいい機会だと考えた。
⇨イノベーションを起こさなければ死ぬと追い込んだ。
『避けられない失敗ならしてもいいと腹をくくれなければ、イノベーションは起こせない。』
・PG-13指定のドラマを放送する決意をする。トムとダンが許可して1993年に放送された。このNXPDブルーは、10年以上プライムタイムの人気番組となった。
・1992年、ABCのエンターテイメント社長からABC本社の社長を引き継いで欲しいと伝えられる。
1994年、キャピタルシティーズ/ABCの社長兼COOに就任した。CEOとすることを取締役に諮るつもりだと言われ、その後、ディズニーによる買収の交渉が正式に始まった。売却を成立させるには、筆者はディズニーのメディア部門に移動する必要があった。
・ディズニーの重役達は皆ミッキーのネクタイを締めるよう推奨されていたが、社長のマイケルは一度もしていなかった。ディズニーは、高学歴で攻撃的なスタッフを戦略企画部におき全員MBAを取得していた。
・ディズニーのトップ2が反りが合わず揉めていた。No.2のオービッツは企業で働くことに向いておらず、エージェント業の枠でしか仕事が出来なかった。オービッツは後にクビとなる。
『どうしたらうまくいくのかを自分に説得出来ないまま、上手くいくはずだと希望を抱いても仕方がない。』
『優れたリーダーシップは、代わりのいない存在になることではない。誰かを助けて自分の代わりになる準備をさせてあげることだ。』

・ディズニー社長マイケルとの絆が強まったのは、1998年終わり。国際部門を立ち上げて欲しいと頼んできた。当時のディズニーは意外にも国際化が進んでいなかった。
ABCスポーツ時代に番組の制作で世界中を飛び回っていて、中国の事情を少しでも知っていたのは筆者だけだった。
⇨上海ディズニーランドに向けて動き出す。
・ABCテレビは下り坂にさしかかっていたが、クイズミリオネアが救いの神となった。
2000年12月ディズニーの取締役社長兼COOになる。
・ディズニーを再建したのは、1984年にCEOを引き継いだマイケルであり、過去の名作をビデオ販売したり1995年にキャピタルシティーズ/ABCの買収によって三大ネットワークの一つを手に入れ、ESPNを傘下に収めたことで1億人近い会員を手に入れた。
・ピクサーはアニメーションの未来を担う存在として認められる一方で、ディズニーアニメーションの方は凋落が始まっていた。作品を公開するごとにピクサーの評判と影響力は高まり、それにつれてディズニーとの軋轢も深まっていった。
・前向きな態度とは、”自分と周囲の人が最高の結果に向かって突き進むことが出来ると信じる“ことである。
・前ディズニーCEOのマイケルが2006年の任期満了をもって引退することとなり、次のCEO選びが難航した。
周囲には新参者のつもりで考え、計画し、行動するところを見せる。戦略的な優先課題を考える。そして、優先課題は必ず3つまで。
ディズニーCEOになった時から以下3つが指針となった。
①良質なオリジナルコンテンツ(情報源)を創り出すことに時間とお金のほとんどを費やす。
②テクノロジーを最大限に活用する。
③真のグローバル企業になる。

・2005年にハードな取締役との面接を終え、ディズニーCEOとなる。

 

〜導く〜
・CEOの仕事はディズニーを新たな既読に乗せることで、不必要な争いの火種を消すこと。
・2005年にCEOに就任し、スティーブ・ジョブズに自分に決断の権限があること、共に未来を探ることを熱望していることを知って欲しかった。
・戦略企画部は65人から15人に再編した。
2005年10月3日正式にディズニーのCEOとなった。
・1995-2005のディズニーアニメーションは惨憺たるものだった。
・最終的にディズニーは、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムを買収することになる。
『到底出来っこないと思えることが、意外に現実になる。』
・ピクサーの買収はリスクがあり、スティーブにディズニーを乗っとられると何度も取締役会で言われる。
・分析が教えてくれないこともあることを認識しなければならない。
『大きなリスクを取らなければ、大きな成功はなし得ない。』
・2006年、ディズニー取締役会にスティーブ・ジョブズが参加し、前向きにピクサー買収が進むようになった。
⇨2006年ピクサー買収
・魅力あるグッズを作り消費者に届けること、グローバルに成長するのが目標となり、マーベルとルーカスフィルム買収を狙うこととなった。
⇨2009年マーベル買収
ブラックパンサーが筆者が作ってきたものの中で最も誇らしい作品であると語っている。
・マーベル買収の次はルーカスフィルム買収がディズニーの候補として上がっていた。しかし、ピクサー同様なかなか上手くいかなかった。
・キャピタルゲイン税制の改正の前にジョージ=ルーカスはルーカスフィルムをディズニーに売却した。
⇨2012年ルーカスフィルム買収
『トップが仕事をしている人達に余計なプレッシャーをかけてもいいことはない。トップが部下のストレスを理解し、負担を分かち合っていることを伝えることが重要だ。』

・映画制作会社がよくやってしまう失敗は、公開日にこだわり内容が薄いまま編集してしまうこと。筆者は、公開予定日の圧力に屈せず、延期しても作品のクオリティにこだわった。スターウォーズのクオリティにこだわった。
ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムの買収の全てに共通していたのはどの案件も1人の支配的な所有者との信頼を築けるかどうかにかかっていたということ。
⇨スティーブ、アイク、ジョージとの信頼を築けか、人に対して信頼してもらうことが重要であった。
・Twitterを利用して、映画やテレビ番組やスポーツやニュースを届けられると思った。
⇨2016年の夏、ディズニーがTwitterを買収することで進めていたが中止を決めた。自分の中の何かが違うと言った。
・自社のプラットフォームを使ってディズニーとESPNのD2Cの動画配信サービスを大々的に立ち上げる計画をたてた。
『社外も大事だが、社内に対しても発信することで社員のモチベーションを上げることが出来る。』
・ディズニープラスの配信にあたり、さまざまな問題に直面する。ディズニープラス向けのコンテンツを社内で考えること。それに際しての報酬をどうするかというもの。
⇨CEO自身が報酬を決めるという提案をする。部下達が新しいプロジェクトに取り組んでいるかをCEOが評価して株式を与えることもあれば取り上げることもあるというもの。
・21世紀フォックスの買収を考えることになる。フォックスは、ディズニーがまだインドに進出したばかりの中、インドでD2Cに莫大な投資を行い大規模に事業を広げていた。
・ESPN社長のジョンが薬物使用、ディズニーアニメーションのラセターのセクハラにより、柱になる2つの事業のリーダーを失った。
・良質なオリジナルコンテンツ、テクノロジーへの投資、グローバルな拡大全てをフォックスを買収したことで、明らかな形となった。
⇨2019年21世紀フォックス買収
『あまりに大きな権力が1人に集中すると、その力を抑制することが難しくなる。上に立つ人は意識して多様な意見に耳を傾け、注意を払わなければならない。』
・筆者は自分自身の直感を信じ、周囲の人たちに彼ら自身の直感を信じるように励ましてきた。人生のどの段階にいても、あなたという人間は昔も今も変わらない。それが何よりも難しく、何よりも大切な教訓である。
・2020年2月25日、ロバートアイガーがCEOを退く。

 

●リーダーの原則
・周囲の人に親切にしよう。あなたがいつも落ち着いて公平な気持ちを持ち続けていること、真摯な失敗であれば挽回のチャンスが与えられることが周知される環境を作ること。
・リーダーが自分の直感を信じ、敬意を持って人と接していれば、その人が導く組織もまた同じ価値観を体現する。
・リーダーは人々に寄り添わなければならない。出席したくないミーティングにも、ずっと座っていなければならない事も多い。
・いいリーダーになることは、替えのきかない人間になることではなく、人々が自分の代わりに仕事を果たせるよう、準備を助けることである。
・一見不可能に思えることも、実はそれほど遠い夢ではない事も多い。
・過去より未来が大切だ。

 

●感想
世渡りおじさんとも言うべき、笑 非常に多くの挫折や困難がありながらもトップに登りつめることが出来た人だと思いました。
それは、来るべき時に来たチャンスをものにする能力がとても高いからだと思います。トップに登りつめるまでは、買収されながらもその場その場で自分の能力をフルに発揮するように努めました。
数少ないチャンスをものに出来たのは、日頃の準備、心構えがしっかりしていたからに他なりません。
またCEOに登りつめてからリーダーとして、人を大切にすることをとても重要にする姿勢は全ての人が参考にすべきだと感じました。その姿勢が、数々の大企業を買収し、ディズニーを再建させた所以だと思います。

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