【社会人必修】松下幸之助〜道をひらく〜

読書

言わずもがな、パナソニックを一代で築き上げて『経営の神様』と呼ばれた松下幸之助さんの著した”道をひらく”について紹介したいと思います。

以下ネタバレありますのでご注意下さい。
最後に感想を書きました。

 

●本文要旨
ー運命を切り開くために
・道
自分には自分に与えられた道がある。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。所詮はこの道しかないのではないか。他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しも開けない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

・素直に生きる
逆境に生き抜いてきた人、順調に伸びてきた人、その道程は違っても同じ強さと正しさと聡明さを持つ。

・志を立てよう
志を立てれば、事はもはやは半ばは達せられたと言ってよい。

・さまざま
自分と他人のちがうことの中に無限の妙味を感じたい。

・真剣勝負
今からでも遅くない。お互いに心を新たにして、真剣勝負のつもりで日々にのぞみたい。

・是非善悪以前
人生の90%はいわゆる人知をこえた運命の力によって、すでに設定されている。残りの10%ぐらいが人間の知恵、才覚によって左右される。

 

ー日々を新鮮な心で迎えるために
・日々是新
素直で謙虚で、しかも創意に富む人は、毎日が明るく、毎日が元気

・人事をつくして
人事をつくしたかぎりにおいては、うろたえず、あわてず、心静かに事態を迎えねばならない。

・くふうする生活
どんな小さなことでもいい。どんなわずかなことでもいい。きのうと同じことをきょうは繰り返すまい。

 

ーともによりよく生きるために
・あいさつをかわす
私たちの遠い祖先から伝わってきたこのあいさつは、いわばお互いの毎日の暮らしの潤滑油である。

・長所と短所
いわば人間の宿命である。宿命を繁栄に結びつけるのも貧困に結びつけるのも、お互いの心配り1つである。

・生かし合う
自己を捨てることで相手が生きる。相手が生きて、自己も自ずから生きるようになる。

・真剣に叱られる
叱られてこそ人間の真の値打ちが出てくるのである。

-みずから決断を下すときに
・命を下す
たとえ命令がなくとも、以心伝心、命ずる人の意を汲んで、それぞれの人が適時的確に進んでゆく。こういう柔軟な姿のなかにこそ、限りない発展性が生まれてくる。

・風が吹けば
揺れることを恐れるよりも、協力がこわされることを恐れた方がいい。

・止めを刺す
お互いに、昔の武士が深く恥じたように、止めを刺さない仕事ぶりを、大いに恥とする厳しい心掛けを持ちたいものである。

・根気よく
どんなによいことでも、一挙に事が成るということはまずあり得ない。何よりも、辛抱強く、根気よく事をつづけてゆう心構えが必要であろう。

 

-困難にぶつかったときに
・心配またよし
憂事に直面しても、これを恐れてはならない。心配や憂いは新しくものを考え出す一つの転機だと思い直して正々堂々と取り組む。

・困っても困らない
困難がかえって飛躍の土台石となる。要は考え方である。決意である。困っても困らないことである。

・仕事というものは
仕事は勝負である。一刻一瞬が勝負である。おたがいに勝負する気迫を持って、日々の仕事をすすめているか。

 

ー自信を失ったときに
・転んでも
失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れた方がいい。真剣ならば、たとえ失敗しても、ただは起きぬだけの充分な心構えができてくる。

・失敗か成功か
1つに希望を持つか、99に失望するかどちらに目を向けるか。

・心を定めて
災難がくればそれもよし、順調ならばさらによし、そんな思いで安易に流れず、いずれのときも心を定め、人一倍の働きを積み重ねてゆきたい。

・窮屈はいけない
万物は日に新たである。刻々と変わってゆく。われわれも、今日の新しいものの見方を生み出してゆかねばならない。

ー仕事をより向上させるために
・自分の仕事
自分の仕事は、自分がやっている自分の仕事だと思うのはとんでもないことで、本当は世の中にやらせてもらっている世の中の仕事である。大切なことは、世の中にやらせてもらっているこの仕事を、誠実に謙虚に、そして熱心にやることである。

働き方のくふう
・人より一時間余計に働くことは尊い。しかし、今までよりも一時間少なく働いて今まで以上の成果をあげることもまた尊い。額に汗することを称えるのもいいが、額に汗のない涼しい姿も称えるべきであろう。楽々と働いて、なお素晴らしい成果があげられる働き方を、お互いにもっと工夫したい。

・引きつける
なんとかしてこの仕事をやり遂げよう、なんとしてもこの仕事をやり遂げたい、そういう誠実な熱意から良い仕事が生まれ、その人が直接出来なくとも、自然に周囲の人を引きつける。知識も才能も、熱意がなければ無に等しい。

・おろそかにしない
むつかしいことは出来ても、平凡なことは出来ないというのは、本当の仕事をする姿ではない。些細なこと、平凡なこと、その積み重ねが信頼感につながる。

 

-事業をよりよく伸ばすために
・見方を変える
何ごともゆきづまれば、まず自分のものの見方を変えることである。ちょっと視野を変えてみるがよい。悪ければまた見方を変えればよい。

・何でもないこと
1日の商いが終われば、売り上げを計算し、色々成果について検討する。こうした1日のケジメをおろそかにしてはならない。

・あぶない話
失敗の連続もかなわないが、成功の連続もあぶない話である。どんな偉い人でも、三度に一度は失敗したほうが身のためになりそうである。その失敗を謙虚さに生まれかわらせたほうが、人間が伸びる。

・同じ金でも
自分の額の汗がにじみ出ていないような金は、もらってはならぬ。借りてはならぬ。個人や事業や国家の運営にもこの心構えが大事であろう。

 

-自主独立の信念をもつために
・自得する
激動する世界の中で日本の国も容易ではない。だからお互い一人一人も決して容易ではない。自得への厳しい日々を覚悟したいものである。

・こわさを知る
こわいもの知らずということほど危険なことはない。時には、こわいものにも、見方によっては、一利があり一得がある。

・己を知る
敵を知ることもむつかしいけれども、己を知るということは、もっとむつかしい。己を知らなかったら、戦いには必ず敗れる。

・わが身につながる
お互いに一人前の社会人として、責任を知る深い反省心と大きな勇気を持ちたい。

・学ぶ心
どんなことからも、どんな人からも、謙虚に素直に学びたい。学ぶ心が繁栄へのまず第一歩なのである。

-生きがいのある人生のために
・真実を知る
人間は本当は偉大なものである。真実に直面すれば、かえって大御徹底し、落ち着いた心境になるものである。

・自分の非
自分の非を素直に認め、いつでもこれに殉ずる。この心構えを常日頃からお互いに充分に養っておきたいものである。

・知恵の幅
賢い人と愚かな人と、その間には大変な差があるように思う。しかし、自分で自分が思うようになるのは、実はほんの僅かである。小さな賢愚の中で、小さなお互いの心を乱してはいけない。平平淡々、みずからの与えられ人生を心しずかに歩みたいものである。

 

-国の道をひらくために
・国の道
人の道も国の歩む道も結局同じことではなかろうか。我、他人とともに懸命に考えて我が道をひらくごときに、国の道をひらかねばなるまい。

・信念のもとに
為政者に信念がなければ国はつぶれ、経営者に信念がなければ事業はつぶれ、店主に信念がなければ店は潰れる。強い信念のもとに、自他ともに確固たる歩みをすすめたい。

・ピンとくる
足の先を針の先でちょっとつついても、頭にすぐピンとくる。商店、会社、いろいろな団体、国家の組織それらの末端をちょっとつついても、すぐにピンとくるかどうか。本当の意義はこのピンである。

 

●感想
・松下幸之助さんは、日本国家の繁栄さらには世界の繁栄を考えて行動や発言をされた方であり、大きなスケールと広い視野で物事を考えている人だと改めて感じた。
・挨拶は人と人とを繋ぐ潤滑油であるということ。夫婦でも日々の挨拶をおろそかにせずに大事にしたいと思った。
・周りの空気に流されて残業するというのは絶対良くないと感じた。昭和時代の悪しき文化だと思っていたが、松下幸之助さんが働き方について苦言を呈していることから改めて創意工夫を持って仕事に臨もうと思った。
・”引きつける”という項目の内容は、山口周さんのニュータイプの時代に通じ、”信念のもとに”はジムコリンズのビジョナリーカンパニーでも相通ずるものがあると感じた。熱意を持って働くこと、信念を持つことの重要性を学んだ。
・松下幸之助さんは、人の賢さや愚かに大した違いはない。であれば、相手の賢さを羨むのではなく、自分自信に与えられた道を素直にまっすぐ生きることが大事だと言っている。私も素直にまっすぐ生きていきたい。

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