【世界の独裁者⑤】ヒトラー~世界を震撼させたドイツの独裁者1/2~歴史

教養/豆知識
Adolf Hitler (1889 - 1945) in Munich in the spring of 1932. (Photo by Heinrich Hoffmann/Archive Photos/Getty Images)

独裁者はとしてまず第一に上がるのは誰でしょう?おそらくほぼまず第一に上がる人物はアドルフ・ヒトラーではないでしょうか。言わずと知れたナチス・ドイツの指導者になります。喜劇王チャップリンが演じたことでも有名なあの横に流した髪型とチョビ髭が特徴の人物になります。ユダヤ人迫害はあまりにも有名でアウシュヴィッツ収容所や毒ガスなど物騒なイメージの人物であることは多くの皆さんが感じている共通の認識ではないでしょうか。
今回はそんなヒトラーについて簡単にご紹介したいと思います!
さらに詳しく知りたい方は、【世界の独裁者⑤】ヒトラー~世界を震撼させたドイツの独裁者2/2~歴史についても是非ご覧ください。

 

●プロフィール
名前 アドルフ・ヒトラー
出身 オーストリア=ハンガリー帝国
出世 1889-1945(56歳没)
ナチス・ドイツ指導者、ムッソリーニを師と仰ぐケインズ経済学思想に傾倒

 

●ヒトラーの半生について
1889年に生まれ、1945年に没したドイツの独裁者である。幼少期は父親と仲が悪く、高校の時はドイツ民族主義、ゲルマン民族こそ最強という考えをヒトラーは傾倒していた。
ヒトラーの青年時代は住む場所も見つからず放浪した生活を送っていた。そんなヒトラーが持っていた夢は画家であった。しかし、ヒトラーは画家を目指していたが、才能に恵まれていたわけではなかった。別に下手でもないし、天性の才能を持っていたわけでもなく、普通であった。そんなわけで、芸術大学に入ろうとするが、ことごとく落ちてしまう。そして画家になることが出来なかったヒトラーは、しばらく自分の絵を売って生計を立てていた。
そんな暮らしの中起きたのが第一次世界大戦である。ヒトラーはこの第一次世界大戦に、伝令役として参加する。そして、伝令役にも関わらず、1人でフランス兵を20人捕まえるなどして鉄十時勲章を授かるなど活躍する。この鉄十時勲章は総統になってからもつけていたことから名誉を感じていたと考えられる。この鉄十時勲章はそこそこ成果を上げた人に渡されるものであった。
第一次世界大戦では、ほどほどに活躍したヒトラーだがその後はナチス党という党の一つに入り、ヒトラーのもつ演説の才能が功を奏し見事ナチス党の党首となる。
そして、ヒトラーがドイツ中に知れ渡るきっかけは「ミュンヘン一揆」という出来事である。これは、ミュンヘンで政府主催の集会が開かれていてそこでヒトラーが突撃演説をするというものである。そしてそのことによりヒトラーは一旦逮捕される。しかし、ヒトラーのそのときの演説がドイツ中に知れ渡り話題となる。そのときのヒトラーの演説の内容は分かりやすいスローガンを掲げるというものである。
「ドイツ民族の復興!」「ベルサイユ条約の破棄!」「全てのドイツ人に職とパンを!」というものであった。そんなヒトラーの分かりやすい演説が民衆に受け、ナチス党は288議席という過半数議席を獲得し全権委任法という独裁政治を許す法律が可決される。民主主義によって可決された独裁政治という非常に珍しい構図である。この当時のドイツは第一次世界大戦で敗戦し、ベルサイユ条約という多額の賠償金を支払わなければいけない非常に厳しい状態であった。その賠償金の額は当時のドイツの国内総生産GNPの20倍、国家予算の30倍というものであった。この敗戦からのベルサイユ条約により、ドイツは衰退し、そんな中、1929年に世界恐慌が起きてとんでもない数の失業者が出ることとなる。そうした中、ヒトラーは「ベルサイユ条約を絶対破棄するぞ!」と言ったので民衆は勢いづいたのである。
そして、ヒトラーが国のリーダーになってからヒトラーはベルサイユ条約を一方的に破棄し、ドイツ民族を養うために他国への侵攻、そして国の弊害であったユダヤ人を虐殺、しかも600万人とも言われた失業者がヒトラーの公共事業や社会保障などのおかげでたった3年でほぼ解消したのである。(この政策には、ケインズ経済学の思想が大いに含まれているとされる。)
そうした、実績からも民衆は、ヒトラーの独裁を許すのである。すごいのは、独裁と言ってもカンボジアのポルポトソ連のスターリンなどの独裁者と違ってほとんど全員が許しているところである。こうして、大統領の死後、ヒトラーは自分を総統と名乗ることとなる。これは、首相と大統領の権限を持ち合わせたとてもすごい地位である。そしてヒトラーが総統となってからは、ユダヤ人を含む大量の人を殺したのである。ヒトラーのしたことで一番有名なのが「ホロコースト」ユダヤ人を徹底的に排除したというものである。このホロコーストは、ユダヤ人だけでなく、ジプシーという民族、戦争捕虜、知的障害者、精神病者、同性愛者、共産主義者なども殺されている。ユダヤ人を殺したのは、ゲルマン民族こそ選ばれし種族だ!という名声を得るために殺したというところだと考えられる。そしてヒトラーは優生学なる超越人種論的なものを信仰しており知的障害者や同性愛者などを劣等血族として邪魔だから排除したというわけである。ホロコーストで殺されたユダヤ人は600万人、その他ジプシー達も含めると1000万人に上るとされている。この600万人という数字はあまり証拠がなく、東京裁判同様捏造的なものではないかとも言われている。このようにして、ヒトラーが総統となってポーランドに侵攻したりして、第二次世界大戦が起こる。
しかし、ヒトラーが起こした第二次世界大戦も負けそうになると敗戦する前に自殺して生涯を終える。敗戦の原因は、ヒトラーには軍事的能力がなかったということ。軍を指揮する経験値がなかったとも言われている。死ぬ前の妻と自殺する直前に結婚式を行い、地下室で拳銃自殺をしたとされている。

 

●ヒトラーのハンパないところ
・演説力がすごい!
ヒトラーには、演説の才能、指導力やカリスマ性が非常にあった。たとえどんな正論で塗り固めた文章を読み上げようとも伝わらなければなんの意味もない。そのためヒトラーは理解してもらうことに重点を置いた。というのもヒトラーは民衆はバカだから難しいことを言っても理解されるはずがないというふうにも考えていた。そしてジェスチャーを大袈裟にしたり、声の強弱をつけることで演説の印象を変えたり、重要な部分は何回も同じことを繰り返した。ヒトラーは、このジェスチャーを鏡の前で練習したり、近場にいる人にこのジェスチャーを聞いてみたりしていたという。
ヒトラーの演説用に作られた音響技術は、今のライブやコンサートでも使われている技術である。

・能力主義!
今まで貴族や出身などで構成されていた軍を能力主義に変えたり、有能な人物を周りに置いたり人を見る目があったとされる。

・国民の生活を第一に考えた政策を行なった!
子供だけでなく、大人たちにもバカンスを勧めたり、誰でも車が買えるようにする制度を設けたり、豪華客船などを用意し海外旅行を招待する企画をしたりと今でもヒトラーの頃が一番良かったのではないかという人もいるほどである。

・ヒトラーはIQ150あった!?
IQ150はおよそ2330人に一人の割合とされている。また霊感が強くこれにより幾度もの暗殺を退けてきたとされている。

・ホロコーストの600万人虐殺は盛っている!?
戦前に射殺された数も含まれており、ホロコースト自体では10万人ほどしか殺されていないとされる。そして、アウシュヴィッツ収容所もポーランドにあり、ガス室というもの自体がポーランドの捏造という可能性も出ているとされる。しかし、ユダヤ人を虐殺したのは本当である。

・結果的にドイツを敗戦に導く!
条約を無理やり破棄してソ連に攻め入ったりと危ない橋を渡ったことなどが敗戦につながる。

 

☆その他ヒトラーのやったこと
・世界で始めて禁煙政策を実施!
・アウトバーンの建設!
・オリンピックの聖火リレーの発案!

 

●ナチスが残した功績
・ジェット機の実用化
・定時テレビを初めて導入
・公衆電話やラジオの普及
・コンサート技術、テープレコーダーの発明
・ヘリコプターの実用化、ロケット技術
・ナチスの源泉徴収に見習って日本でも1940年に導入
・ヨーゼフメンゲレという人物達が行った人体実験の成果による医療技術の発展

 

●ヒトラーの名言
・天才の一瞬のひらめきは、凡人の一生に勝る

・私は間違っているが、世間はもっと間違っている

・自己をあらゆる武器で守ろうとしない制度は事実上自己を放棄している

・大衆の多くは無知で愚かである

・女は弱い男を支配するよりも、強い男に支配されたがる

・熱狂する大衆のみが操縦可能である

・政策実現の道具とするため、私は大衆を熱狂させるのだ

・大衆は小さな嘘より、大きな嘘の犠牲になりやすい

・人々が思考しないことは、政府にとって幸いだ

・平和は剣によってのみ守られる

・偉大な嘘つきは偉大な魔術師だ

・弱者に従って行くよりも、強者に引っ張って行って貰いたい、大衆とはそのように怠惰で無責任な存在である

・神は臆病な民族を原則として自由にして下さらぬ

・世界を革新しようとする運動は、瞬間にではなく未来に奉仕するものである

・今日では金が唯一の人生の尺度になったかのようだ。しかし再び人が気高き神に頭を垂れる時が来るだろう

・民族が高潔かどうかの決定を人間が下すことは難しい。それは神に任せられるべきだ。

・私は説得によって全てを作り出した

・政策とは今作られつつある歴史のことだ

 

●感想
ヒトラーは独裁者として有名だが、ポルポト毛沢東とかその他の独裁者と違い比較的常識人だったのではないでしょうか。それは、他の独裁者のように圧倒的な暴力により民衆を扇動して独裁政治を行ったわけではなく、選挙でしっかり票を獲得しナチスドイツを運営したという所が明確に違うところではないかと思います。しかし、あくまでもヒトラーが行ったユダヤ人の虐殺は許されることではなく、白と言い切ることは到底できませんが、内政面に関しては部下が優秀ということもあって非常にすごい功績を残していることや卓越した演説力があり(軍の指揮的な戦略家としては無能でした)、もし第二次世界大戦で勝利していたら英雄視されていたと考えられます。戦争に勝った方が正義、負けた方が悪だと安易に決めつけてしまうのは、非常に危険だと感じます。戦争が起こった経緯は単純なものではなくその時のそれぞれの国の立場や状況によって一概に誰が悪かったなどの判断はできません。歴史を学ぶことで改めてその難しさを学び、一人ひとり自分なりの考えを持つことが大事なのではないでしょうか。

 

~世界の独裁者シリーズ~
【世界の独裁者①】スターリン〜2000万人を死に追いやった男〜歴史
【世界の独裁者②】ポル・ポト〜国民の1/3を殺した姿なき独裁者〜歴史
【世界の独裁者③】毛沢東〜世界で1番多くの人を殺した独裁者〜歴史
【世界の独裁者④】ムッソリーニ〜ヒトラーが師と仰いだイタリアの独裁者〜歴史
【世界の独裁者⑤】ヒトラー~世界を震撼させたドイツの独裁者2/2~歴史

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