三国志は現在でも多くの実業家や指導者が実際に仕事や組織を運営する上で参考にしているバイブルのような存在になります。今回は三国志の国の頭首で一番地味なキャラクターである呉の孫権について簡単にご紹介します!
曹操のような天才でもなく、劉備のようなカリスマ性もなく少し目立たない存在でありますが、如何にして国を治めたのか、現代人が学ぶべきところは非常に多い存在であると思います!
●孫権プロフィール
名前 孫権
出世 182-252
江東の覇者
●孫権の生涯
揚州呉郡の出身、家柄はそれほど良くなく、故郷である呉郡の小豪族であった。孫権の父親孫堅が呉の国を造るきっかけとなる。
当時の漢王朝は、政治がグズグズになって天下のあちこちで反乱が発生していたり、疲弊した王朝を暴君董卓が掌握してしまったり、世紀末のような乱世の時代であった。そんな乱世に孫堅は、天才的な軍事の才能を発揮して各地で戦い天下で最たる武功をあげるなど大きく名を轟かした。こうして、呉郡の孫氏の名声は高まり新進気鋭の新興勢力として注目の的になる。そんな最強と謳われていた父孫堅は、優位に立っていたはずの戦で、流れ矢に当たってしまい不運にも死亡する。
この時、孫堅の後を継いだのが孫権の兄孫策であった。孫堅の死で孫氏の勢力は一気に萎んでいったが、孫策は父親譲りの軍事的才能を発揮し、20代前半に江東の一帯をあっという間に呑み込んでしまった。しかし、軍事行動のやり方が苛烈を極めた為、地元の有力者達の反感を買うことになり、兄孫策は暗殺されてしまう。
そして、兄孫策の後を継いだのが当時19歳の孫権である。まさに青天の霹靂であった。バリバリの武闘派であった父や兄とは違い、孫権は内政向きの人物であり、戦うタイプではなかった。そうした孫権の性格から孫氏の勢力圏では、反乱が相次いだ。ここで、孫権の非凡さが発揮される。孫権は地元の有力者達と友好的に接して反乱勢力を援護している様な勢力とは外交で話をつけながら兵を動かさずに反乱分子を崩していったのである。こうして兄孫策の頃は反発していた有力者達との融和を保ち、有能な人材をどんどん発掘し、重要な仕事を任せていくことで江東の一帯も落ち着きを取り戻していった。
そんな中、外から大敵、曹操がやってくることになる。天下統一のために南進を開始したのである。この時、南方で曹操と敵対していたのは劉備のみであった。そして、曹操、劉備は父親と同世代であり、経験値も豊富であった。そうした中、孫権の家臣団の9割以上が曹操への降伏を進めたと言われており、孫権はこの時はまだ君主ではなく漢王朝の将軍の役職であった。早めに、戦いを降りれば漢王朝の重臣になれるという状態であったが、孫権は何色を示す。漢王朝は辛うじて永らえているとはいえ、曹操の意向次第で崩壊しかねない状況であったからであり、こうした中、孫権は自分のために反対を押し切り交戦に踏み込んだ。家臣達の反発もありながら上手く束ねて、劉備との連合軍を造り208年、”赤壁の戦い”で見事勝利を収め南方の支配を盤石にした。その後も孫権は劉備と同盟を結びながら曹操と相対しており、時には劉備ではなく曹操と手を結んだり、狡猾なまでの外交戦術を繰り広げ勢力を拡大する。こうして呉の国を建国することになる。若いながらも、経験豊富な立ち回りを見せることでなし得たと考えられる。
曹操、劉備の死後も、孫権は皇帝として呉の国に君臨し続ける。しかし、晩年は失策を繰り返してしまい国力を落としてしまう。
皇位継承という大問題を癇癪を起こしてこじらせ、多くの有能な家臣を斬ってしまったのである。天寿を全うするが、まさに「麒麟も老いれば駄馬にも劣る」という最後であった。
●孫権のすごい所
①若くして国のトップを任され戦わずして勢力圏を上手く治めたこと
②反対を押し切り、曹操に交戦し勝利したこと(赤壁の戦い)
③若手でありながら外交戦術という経験豊富な立ち回りで呉を建国したこと
④家臣を命ごと信頼を預けたこと
赤壁の戦い:曹操との戦いでは周瑜に委ねた
夷陵の戦い:劉備との戦いでは陸遜に委ねた
孫権が一方的に劉備との同盟を破棄し奇襲により荊南を奪取する。この奇襲により劉備は関羽を殺され、激怒した劉備と全面戦争となる。
君主はどの将が優れているかを見極める目が必要であり、一度将に指揮を委ねたならば戦の現場にいない君主が指示を出してはいけないと「孫氏の兵法」にも書かれており、孫権はまさにこれを実践したのである。
●感想
孫権は、兄の孫策と違い、どれだけ癖が強い家臣でも大胆に抜擢し、自分の命ごと信頼を預けてしまうほどの器量と豪胆さを持っており、三国志の中では現代でいう上司にしたいランキング1位の存在だと思います。カリスマ性や才能が秀でていたわけではないからこそ、組織力や人を束ねることを大切にし実践していった孫権から学ぶことは非常に多いです。天才やカリスマではなくても、人はついてくるものだと改めて感じました。ちなみに、晩年の失策について気になる方はネット等で検索してみてください。
~三国志キャラクター~
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➡【三国志キャラクター④】諸葛亮〜蜀の劉備に仕える天才軍師〜
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